昨年、日本球界に旋風を巻き起こした2人のトリプルスリー達成者は今年もキャンプから好調を維持している。ソフトバンクの柳田悠岐は「カードごとに1本塁打、1盗塁」を公約に掲げた。今シーズンは2あるいは3連戦で区切られた53カード、143試合が組まれており、それを果たせば40ホーマー、40盗塁は軽くクリアする。ヤクルトの山田哲人も「まだ誰も達成したことがない2年連続トリプルスリー達成」と抱負を口にした。過去8人のトリプルスリー達成者の多くは翌年大きく成績を落としているだけに、果たしてこの2人はどうなるのか。興味深いシーズンになるのは間違いない。 
ヤクルトの主砲として今シーズンも期待が懸かる山田。柳田と並ぶ現役最高のバッターの1人としての地位を確立する
トリプルスリー達成の翌年に苦しむ選手が多数
2002年までにトリプルスリーを達成した8人は翌年そろって成績を落としている。打率、本塁打、盗塁の3つの項目で翌年1つでも前年を上回る記録を残しているのは1950年の
岩本義行(松竹)が打率.319から.351、89年の
秋山幸二(
西武)が本塁打を31から35、盗塁を31から51に伸ばしたケースだけだ。
つまり、この2人以外の6人は全員が3項目すべての成績をダウンしている。50年の
別当薫(毎日)は本塁打を43本から16本にまで落とした。同じ50年の岩本を除く7人は打率を落としているが、4人までは2割台にまでダウンしている。
翌年の本塁打を大きく減少させたのは50年の別当が43本から16本、95年の
野村謙二郎(
広島)が32本から12本と2人いる。盗塁も50年の岩本が34個から10個、83年の
簑田浩二(阪急)は35個から5個、95年の野村も30個から8個、02年の
松井稼頭央(西武)も33個から13個である。
こうした前例を見ると、トリプルスリーの翌年の大きな反動は覚悟しなければならない。02年の松井までの8人の平均成績を翌年と比較するとこうなる。
▽打率 .318→.300
▽本塁打 34.9 →26.1
▽盗塁 32.9→18.9
柳田、山田の2人が大きな抱負を語るのは心強いが、その一方で心配が先に立ってくる・・・
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