3月25日にプロ野球が開幕したが、昨年まで現役最多勝利だった中日の山本昌が引退し、今年のプロ野球には13年ぶりに現役200勝投手が姿を消してしまった。1946年10月に当時パシフィックのスタルヒンがプロ野球史上初の200勝投手になって以来、常に200勝投手はプロ野球のトップを走っていた。現在の現役最多は172勝のDeNAの三浦大輔。筆者にとっては少し寂しい開幕となった 
現役の通算最多勝利はDeNAの三浦大輔の172勝がトップ。現役200勝投手がいなくなってしまった日本球界である
通算313試合目でスタルヒンが初めて達成
日本球界における200勝投手の第1号は、敗戦の翌1946年に復活した当時パシフィックのビクトル・スタルヒン投手である。
34年の
巨人誕生と同時に契約したスタルヒンは、公式戦のスタートした36年は4試合で1勝2敗。37年には春秋通じて28勝11敗の好成績をマークし、秋は15勝7敗で最多勝にも輝いた。38 年春は14勝3敗、秋は19勝2敗、39年は42勝15敗、40年も38勝12敗と5シーズン連続で最多勝投手になっていた。
41年は15勝3敗、42年は26勝8敗で、43年は10勝5敗、44年は6勝0敗。戦後にプロ野球が復活した46年は、巨人には戻れずに10月13日になってパシフィックでようやく復帰。この試合は3回を無失点で投げたが、勝敗には関係なかった。そこから10月20日のゴールドスター戦で4点は許したものの完投勝利。通算313試合目での200勝達成は同記録のスピード記録である。
結局この46年は5試合にしか登板せずに1勝1敗。31回2/3を投げて16四球と久しぶりの登板に制球を乱していたが、見事になんとか初の200勝投手になった。その後は太陽、金星・大映、高橋・トンボと所属を変えて55年までマウンドに立ったが、巨人では通算199勝61敗と戦前の巨人の全盛期を語るときに絶対に外せないのがスタルヒンである・・・
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