日米を問わず最近は20勝投手が減少しているのは前号で紹介した。投手を必要以上に酷使するのは損であることがデータの側面でもすでに実証されているからだが、打者に関しては相変わらず打率「3割」が一流打者の目安となっている。今号は新旧打者の「3割」への挑戦にスポットを当ててみたい。 
今シーズンから巨人に加わった陽岱鋼はプロ11年間で一度も3割を打った経験がない。それだけに新天地で大きな壁を突き破りたい
現役23年間で16度の3割達成
3割が打者の大きな目標の1つであるのはいまも昔も変わらない。評価としては現役を通じての通算打率、また3割を達成した回数で比較する両方がある。3割を打った回数が最も多いのは
張本勲(東映ほか)16回で、現役生活23年間のうち20度規定打席に達して、通算打率.319をマークした。
プロ入りした1959年は打率.275だったが、翌60年から62年にかけて3年連続の3割台。63年と65年は3割を逸したが、66年から74年までは9年連続で達成した。75年は2割台に終わったが、76年から78年まで3年連続の3割台。だが79年から3年続けて2割台に終わると、この年限りで引退。23年間の現役生活で新人の59年から78年までの20年間で規定打席に達し、届かなかったのは現役最後の3年間だけだ。
この張本に比べ、
川上哲治の3割到達は12回と少ないが、時代の背景を見るとびっくりする内容である。38年に巨人入りしたときは・・・
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