WBCで侍ジャパンは6戦全勝で決勝の舞台となるアメリカへと渡った。ヒーローは筒香嘉智(DeNA)、中田翔(日本ハム)らが挙げられるが、小林誠司(巨人)の攻守にわたる働きも見逃せない。この勢いを持続し、ペナントレースで3年ぶりの巨人の優勝にも貢献できるか。WBCで脚光を浴びた小林と巨人の未来を占ってみたい。(記録は3月16日現在) 
小久保裕紀代表監督の信頼を勝ち取り、侍ジャパンでも正捕手を務めた小林誠司[左]。この男のさらなる成長が巨人のV奪回の大きなカギを握っている。右は岡田俊哉
大舞台での経験と自信を得てGの正捕手へ
巨人に入団して3年が経過した小林誠司だが、3年間の通算打撃成績は打率.218、8本塁打、62打点。打撃でチームに貢献したという印象は残らない。それは
阿部慎之助の存在があまりに大きすぎたからでもあるが、今回のWBCの働きで小林の持つ真の力をよみがえらせるのではないかと期待する声も少なくない。
巨人入りしたその年、4月10日の
広島戦で2度目のスタメンに起用された小林は左方向にシングル、シングル、二塁打と3連続安打。開幕から打率を.571としたときにはこの新人捕手に大きな期待を抱かせたが、終わってみれば110打数28安打で打率は.255、2本塁打、14打点。2年目も177打数40安打で.226、2本塁打、13打点と、1年目と変わり映えしない成績であった。
3年目は阿部が開幕から戦列から離れ、小林が開幕からマスクをかぶった。3月25日の
ヤクルトとの開幕戦では1対0で迎えた7回裏一死一、二塁で右中間を破る2点二塁打。好機で代打を送らなかった
高橋由伸新監督の期待に応えた。翌日も3安打、2打点で今シーズンこそはと期待を抱かせたが、終わってみれば398打数81安打の.204であり、4本塁打、35打点だ。
129試合に出場したので458打席で規定打席に達したものの、打率は.204で、規定打席を満たした27人のうちの27番目。盗塁阻止率が.356とセ・リーグ1位の強肩でなければ規定打席到達も実現しなかったところである。
小林の打力に関してのチームの評価はスタメンに起用されたときの打順が物語っている。14年は八番が28試合で、交流戦で投手が打順に入らなかった試合で九番が1試合。15年はスタメンで出場した56試合すべてで八番の起用であった。
2016年は八番で120試合、九番が9試合。プロ入りしてからの打順は・・・
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