やっぱりまさかやったわ、新井のセ・リーグMVP

彼の人間性もあってMVP獲得はホンマうれしいことやわ。よくやった!と言ってあげたいな/写真=BBM
「まさか」といったら、失礼やな。でも、やっぱり、まさかやったわ。エッ、何のこと?
それは
新井貴浩がセ・リーグMVPに選ばれたことよ。驚きとともに、よく選ばれた……と、うれしくて仕方ないんよね。
MVP、最優秀選手賞って、ホンマ、いい響きやね。実はオレもそれに選ばれるチャンスはあったわ。そう1985年、
阪神が日本一になったシーズンよ。オレは五番を打ち、三番・R.バース、四番・
掛布雅之(現二軍監督)さんとクリーンアップを組んだ。その3人がそろって、すごいシーズンを送った。バックスクリーン3連発に象徴されるように、打っている本人が鳥肌が立つほどの破壊力やったと思う。みんながみんな、フォローし合って、乗り切ったシーズンは日本一という形になった。
オレはすべての部門において自己記録を上回ったわ。打率も本塁打も打点もそう。キャリアハイをマークして、最高のシーズンになった。でもMVPは無理。それは分かっていたな。何せ、とんでもない成績を残した三番がいた。掛布さんもすごかったけど、バースはとにかくすご過ぎた。打撃3部門でリーグトップ。そう、三冠王やで。文句なしのMVP。誰も異論のない選考やったし、オレらも、素直に受賞を祝ったわけよ。
1年の長いシーズン。成績とともに、チームにどれほどの影響を与えたか、そしてどれほどのインパクトを伝えたか。成績プラスアルファなところも評価されて、MVPは決まる。選手にとって、それは栄誉なことだし、がんばったという証。MVPはホンマ、価値あるものと思うよね。
それが今年のセ・リーグで・・・
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