開幕戦は特別な試合、143分の1じゃない

この時期に早くも開幕投手を誰にするか宣言したDeNAラミレス監督(写真右)。そのことをオレは理解できる。今年は石田が投手の中心だという意思表示だ(写真左)
球春が近づいてきた。2月1日のキャンプインまでカウントダウンが始まった。「いよいよや」という気構え、さあ、やるぞ、という意気込み……。胸が高鳴り、興奮すら覚える。キャンプを前に、野球選手はみんな、そういう思いでいっぱいになる。それはルーキーもベテランも関係なし。同じ感覚を共有している。まさに球界の元日を迎えるのだ。
そんなとき、監督はどういう思い、考えで挑んでいくのか。それをオレは振り返ってみた。2003年のオフ。星野(仙一)さんの突然の退陣。あとは岡田に……と後任に指名された。そこから2月のキャンプ、オープン戦、そしてシーズンイン。考えを巡らせ、どこから手を付けていくかを、自分なりに整理していった。
オレの監督としての最初の仕事は何よりもまず四番を決めることだった。当時、チームには絶対的なバッターがいた。
金本知憲(現監督)である。
阪神に来てから四番は打っていなかったけど、オレが監督になった以上、四番は金本と、すぐに決めた。どんなことがあっても金本は四番から外さない。それを直接、本人に伝えた。
これが1番目の仕事なら、2番目は開幕投手を誰にするか、である。幸い、そこにも絶対的エースがいた。
井川慶である。迷いなんかあるはずがない。井川の開幕投手は監督に指名された時点で、心に決めていたわけだ。
投打に軸が存在していた。監督にとって、これは大きな支えになる。あのころの阪神は迷いが存在しなかった。四番とエースを決めた。これがチームの骨格だ。ブレずにいけば勝負になる。キャンプに入る前から、オレは自信を手にしていた。
ということで、今週は開幕投手について書くことにする。実はこれを書く前・・・
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