
鳥谷[写真右]はオレにとってもホンマに思い入れのある選手やったわ。お疲れさまと同時にありがとう、と伝えたよ。一方、新庄監督[写真左]誕生でどういう野球をやるのか、楽しみで仕方ないね
鳥谷の声のトーンはやり切った感があった
その日、1週間ほど前やった。ゴルフの予定があり、プレー後に携帯電話を確認した。着信があった。「
鳥谷敬」からだった。そのとき、いよいよか……と悟った。夜、連絡を取った。やはり現役を引退する報告だった。少しの時間、話したが、その声は、やり切ったという思いにあふれていた。
鳥谷敬、オレにとってホンマ、思い入れのある選手やった。
阪神を変えられる選手として、大学時代から見ていた。早稲田大の後輩で、彼のプレーについて大学関係者にいろいろと聞いていた。その中にこういうものがあった。大学4年間、試合で1度も送球ミスをしたことがない、というものやった。オレはこれに魅かれた。ショートとしての守りの強さ。阪神が求めているものが、そこにあった。
2003年オフ、星野さんから「次はお前や」と監督を託された。それを受け、チームの変革を考えた。そこでの結論は「鳥谷を必ず獲得する」ということやった。自由枠での入団で、オレは内野陣の再編を考えた。まず鳥谷のショートありきの発想である。それまで藤本(
藤本敦士)、久慈(
久慈照嘉)、沖原(
沖原佳典)で起用していた遊撃のポジション。守備力の高い鳥谷をそこに据えれば、10年先まで心配することはない。これがオレの結論やった。
藤本をセカンドに、今岡(
今岡誠=現真訪)をサードに。みんなを生かせるコンバートであり、藤本、鳥谷、そしてセンター赤星(
赤星憲広)によって念願のセンターラインが強固になった。
04年の開幕から・・・
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