12球団屈指の選手層を誇るソフトバンクにとって、一軍昇格は狭き門。特に捕手となると、さらに道は険しくなる。しかし、ケガを乗り越えパワー全開の若鷹に、恐れるものは何もない! 
捕手/3年目/21歳
これほど笑顔が似合うプロ野球選手も、なかなかいないだろう。ウエスタン・リーグの試合が終わり、日が落ちたタマホームスタジアム筑後。ソフトバンクの二軍本拠地で、下半身の補強運動をくり返す捕手陣がいた。ひときわ目立つ声の主が、3年目の
栗原陵矢だ。「どんな苦しい練習でも、野球ができていることが幸せです。去年はこの時期、何もできなかったから」。昨年は右肩を痛めており、夏場までリハビリ組にいた。体をいじめられることに喜びを見いだしている。
福井県の春江工高3年の2014年9月には、U-18日本代表に選出され、主将も務めた。同じく代表メンバーだった
西武の
高橋光成とバッテリーを組んだこともある。ただ、入団間もなく右ヒザを痛めたことで、満足にプレーする時期は限られた。
「ケガが多く、自分が思い切って練習できた時期はそれほど長くない。だから一生懸命やらないと」。一つひとつの練習に全力を注ぐ。当たり前のことから自分を高めてきた。二軍戦の出場数は、1年目が5試合、2年目は19試合と数字を伸ばした。持ち前の打撃でも、昨季は打率3割超え(.306)。首脳陣の目に留まる機会が増えていった。
昨年オフは、台湾で行われたアジア・ウインター・ベースボールリーグにウエスタン・リーグ選抜で出場。同じチームの
オリックスの
吉田正尚から打撃技術を教わる機会にも恵まれた。迎えた今年2月。春季キャンプは初のA組(一軍)でスタート。斐紹や
甲斐拓也、
張本優大とともに激しいサバイバルを・・・
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