若き好投手がひしめくチームの中で存在感を示している。ファームでチームトップの4勝を挙げ防御率は0.55。好投の根底には“競争”がもたらす“危機感”がある。 
投手/2年目/20歳
「出来過ぎで、怖いです」。
吉田凌は苦笑する。2年目の今季は6月4日時点でウエスタン・リーグ6試合に登板して4勝1敗、防御率0.55と抜群の安定感を見せている。
東海大相模高3年時の2015年に
小笠原慎之介(現
中日)との二枚看板で夏の甲子園を制した右のエースも、ルーキーイヤーの昨季はウエスタン2勝に終わった。しかし、今季は白星を引き寄せている。
「ピンチでも焦らなくなったのが大きい。去年はランナーを出すと焦ってリズムが変わったり、2ボールになったら『ストライク入れなアカン』と余裕がなくなったけど、今年は周りが見えていて落ち着いて投げられています。1年目にたくさん投げさせてもらえたので、その経験が生きているんだと思います」
一番の武器は高校時代から代名詞だったスライダー。5月24日の
ソフトバンク戦(舞洲サブ)ではスライダーを多投したが、相手打者にとらえられた打球はほとんどなかった。同じ球種でも1球1球、目的によって変化を変えているからだ。
「軽めにひねってファウルを打たせたら、次はもう一段階ガッツリ曲げて三振を狙いにいったり、微調整はしています。プロの選手には同じ変化を続けるととらえられてしまいますから」
ストレートのキレが増し、スライダーだけに頼らない投球ができるようになったことも大きい。
しかし、どれだけ結果を出しても・・・
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