ファーム開幕直後の3月24日から5月いっぱいまでBCL/埼玉武蔵に派遣されていた育成2年目の出井敏博。最速145キロの右腕が武蔵で先発ローテーションに入り、マウンド経験を積み重ねた。独立リーグという厳しい環境が、出井をひと回り大きく成長させたのは間違いない。 取材・構成=小林光男 写真=埼玉西武ライオンズ 投手/2年目/24歳
BCL/埼玉武蔵から西武に戻り初先発となった6月6日のイースタン・巨人戦(ジャイアンツ)。出井はいきなり実績のある打者との対戦を迎えた。巨人の一番は陽岱鋼。しかし、臆せず立ち向かい、投ゴロに打ち取ると、続く相手は右手親指末節骨骨折から実戦復帰初戦の坂本勇人だ。昨年、史上2番目の若さで2000安打を達成した大打者には、フルカウントからの6球目、真ん中スライダーを中越え二塁打にされてしまったが……。 ──坂本選手と対戦しての感想は?
出井 絶対に抑えてやるという気持ちは持っていました。でも最初、スライダーを打たれて、次は力で押してやろう、と。2打席目(3回一死一塁)は2─1から思い切り直球を投げ込みました。コースには入っていなかったんですけど、詰まったセンターフライに打ち取れて、成長を感じることができましたね。やっぱり、常々思っていますが気持ちを強く持つことは大切です。
──独立リーグを経験して最も糧になったことはなんですか。
出井 まず、先発ローテで回って、試合数をこなしていくのが初めての経験でしたから。その中で、捕手に頼るだけでなく、自分で打者の特徴を研究して、試合でも反応を見て、冷静に分析して投げることができるようになりました。変化球を試したいところもあったので、カーブも多投したり。やっぱり、投球で緩急をつけたいですからね。試合で投げている変化球は、ほかにスライダー、チェンジアップ、たまにツーシームです。スライダーには自信がありますね。カウントも取れるし、空振りも奪える。自由自在に操れています。
──元
楽天の片山(
片山博視)コーチから新たな気付きを与えてもらったようですね。
出井 マウンドの傾斜に沿って、しっかりと左足を入れていくこととか、プレートを踏む位置などに関してアドバイスをいただきました。それまでは・・・
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