わずか1年での戦力外、育成再契約にも、自分の「やるべきこと」を貫き、短期間で自他ともに驚きの飛躍を遂げた。目まぐるしかったこの半年間は右腕にとってかけがえのない財産となっている。 取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭 
投手/2年目/20歳
戦力外、育成再契約、支配下再登録、プロ初登板。夢かと思うような怒涛の日々だった。田上奏大は今、自分に足りないものを補いながら、しっかりとピッチャーとして前へ前へと進んでいる。 ──昨オフからいろいろなことがあった半年間だったと思います。
田上 最初、育成になると言われたときはビックリはしたんですけど、でも育成だろうが支配下だろうが、やることはみんな一緒。「一軍で活躍するために、どうしていくか」なので、それを考えたら落ち込んでいる暇はないなと思いました。
──再び支配下になるために必要なことは何だと思っていましたか。
田上 一番大事なことは経験と体力。体力というところでは昨年の1年間、体づくりをしながら三軍で投げたりもしたんですけど、長いイニングを投げていくと、球威が落ちたり、打たれたりということがありました。また、経験に関しては、僕の場合、高校時代にほとんどピッチャーをやっていない。対バッターという部分だったり、実際に試合で投げていかないと分からないところがありました。
──新しいスタートとなる中、シーズンが始まるにあたっては、ウエスタン・リーグの開幕投手を任されました。
田上 そもそも今年・・・
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