一軍舞台へと飛び立とうとしている選手たちを紹介する連載インタビュー第8回は、左腕王国と言われたベイスターズの未来を担う先発投手だ。安定感あるサウスポーの投球を支えているのは、自らの野球観でもあり、先輩左腕から受け継いだ常に“考える力”だった。 取材・構成=武石来人 写真=兼村竜介、BBM 入団2年目にして、ファームの先発ローテを守る左腕。多彩な変化球と投球術で翻弄(ほんろう)する姿に、大崩れする気配はみじんも感じさせない。全体的なレベルアップを見せる今季は、上の舞台を見据えている。 ──新人年はどんな年になりましたか。
森下 最初は試合に帯同していなかったので、流れも分からなかったですね。中盤以降は、先輩方とバッテリーを組む中で貴重な学びがたくさんありましたし、良い1年になったと思います。
──身体面のビルドアップが顕著です。
森下 今はあまり変わっていないですけど体重は全体的に増えました。昨年、ずっとトレーニングしていたおかげで体も強くなり、投げる感覚も変わりました。
──可動域や感覚の変化に苦労する選手もいますが、影響は大丈夫でしたか。
森下 トレーニングとピッチングを平行しながら、日々調整していたので大きなズレや影響は感じませんでした。全体的に高校時代より良いイメージで投げられるようになったなという印象です。
──昨季前半戦は中継ぎ、中盤戦以降は先発として登板しました。高校時代と打者の違いはどう感じていたのでしょう。
森下 最初はやっぱり自分が見たことのある選手が相手バッターにいたりして『打たれそうだな』と思っていました。ただ投げていくうちに思ったほどは打たれないというか、そもそも気にしていても意味ないなということが分かってきて、とにかく“普通”に投げることに集中したんです。そうしたら、意外とポンポン抑える場面も出てくるようになりました。
──対打者ではなく自分の実力を出す方向に軸を置いたということですね。
森下 そうですね。相手のデータを見ながらの部分もありますが、基本的にはどのバッターに対しても、自分の立ち居振る舞いは変えないようにしています。
──データと感覚のどちらに重きを置いているのでしょう。
森下 感覚のほうを大事にしていますかね。データももちろん大事ですけど強くは意識していません。と言うのも・・・
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