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西武・秋山翔吾のコラム

今週のテーマ=今季を振り返って

 

2人の先輩をのみ込むくらいに


 今年の最終戦(9月28日、西武プリンス)で日本ハムの胴上げを目の前で見せつけられて、また悔しい思いをしました。チームは4位に終わり、3年連続Bクラス。優勝争いに絡めなかった要因はいろいろあるでしょうが、まず僕はチームに明るさが足りなかったと思います。

 もっと具体的に言うと、「行けるぞ!」という雰囲気づくりということでしょうか。その点が上位チームに比べると劣っていた。当然、上位チームは状態がいいから、そういった雰囲気になる面があるのかもしれません。ただ、やっぱり活気を出すことは決してマイナスにはならないでしょう。例えば打者も打席に向かう際、ベンチからそういった“気”を受けるだけで非常に心強いですし、チームが一体となって戦っている感じにもなります。

 そのためには、とにかく声を出すことを習慣づけないといけないでしょう。「自分はそういうキャラじゃない……」というのはプライベートだけの話。ユニフォームを着て、グラウンドに出たからにはキャラクターも変えないといけません。それも、自分なりに声を出す程度ではダメ。コミュニケーションを取るときも同様ですが、何事も人に伝わらないと意味がない。「伝えたつもり」では「伝わって」いないんです。

 特にアップのときなど、栗山(巧)さんや中村(剛也)さんは後列にいますが、声を出すという点では、どうしてもお2人がまだまだ目立ってしまう現状があります。もはや、それを見習うというレベルではいけない。お2人をのみ込んでしまうくらいの元気を出さなければいけないと思います。黙々と練習する選手が増えると、周囲が声を出しづらくなる。逆に活気あふれる選手が多くなれば、相乗効果でみんな声を出すようになるでしょう。練習からそういった雰囲気になれば、相手も脅威に感じてくれるかもしれません。僕も含めておとなし過ぎるかな、と感じたので、来年はそのあたりを改善できればと考えています。

今年もファンの熱い声援があったからこそ、1年間戦えた/写真=高塩隆


不十分だった右足の上げ方


 個人成績に関しては今年、打率3割には届きませんでした(.296)。続けて3割を打つ難しさは感じましたね。例えば三振の数が増えましたが(78→103)、もっと早いカウントから仕掛けたほうが良かったかな、と。当然、ほかにも反省点は数多くあります。

 昨年、シーズン最多の216安打という想定外の記録を達成しましたが、それに縛られることはありませんでした。過去よりも、常に新しい自分を作り上げることが大事ですから。シーズン中も打撃フォームがコロコロ変わりました。手の位置や最初から肩が入っている状態で構えたり。それに振り返ってみると、僕は右足を上げて打つ打者なのに、それが中途半端だった時期が多かったです。それよりも手に意識が向かっていました。左手の付け根を痛めていたときもあったので、「スイングの軌道が……」などと。打撃は全身を使って行わないといけません。下半身主導という点が疎かだった気がします。

 そこに気が付いたのは9月25日のソフトバンク戦[西武プリンス]でした。第1打席から3打席連続で空振り三振。その結果に対して気持ちが悪くなって。試合中にミラールームに入って、鏡の前でスイングしてみたら、これだけしか右足が上がっていないのか、と。自分ではしっかりと上げているつもりだったんですけど、上がっていなかった。中途半端な上げ方で、それがあとの動作に悪影響を及ぼし、いろいろなヒズミが出てきていたんでしょう。

 そして、続く第4打席、意識的にもっと思い切って右足を上げてみたのですが、すると形がスパッと決まる感じがあったんです。結果はセンターフライでしたが、ボールになる変化球はしっかりと見逃すことができた。それまでは前傾姿勢でボールに近づこうという形になり、体がボールを追いかけてしまっていた。左足(軸足)の上で体を回転させないといけないという意識もあったんですけど、それができずに、前足に体重が乗ってしまっていたんだと思いますね。今年は大きな波がなく、3試合連続ノーヒットは1回だけ。だから、思い切って変えることもやりづらかったということもあり、最後まで修正ができませんでした。

 そのほかにも、今年は昨年と違って二番を打つこともあり、いろいろと感じることがありました。自分の好きなようにバッティングをしていた昨年からの変化。紙幅が尽きたので、そのあたりは次回(11月9日号=10月26日発売)に記していこうと思います。

読者からのQUESTION!
Q.「シーズン中、第二子が誕生されましたが、野球に影響は?」(埼玉県・カズ)

A.「いつも“前夜祭”と“後夜祭”なんです」

 もちろん、あらためて頑張ろうという気持ちになりましたが、当日は無安打だったんですよね。前日が3安打、翌日も3安打だったんですけど……。実は奥さんの誕生日でも、いつも“前夜祭”と“後夜祭”なんです。前日と翌日には打つという(苦笑)。特に「絶対に打ってやろう」と気負い過ぎているわけでもなく、普段どおりにやっているだけなんですけど。記念日に弱い(苦笑)。中村(剛也)さんが奥さんの誕生日に毎年、本塁打を打っていて、今年もヤフオクドームで見事にスタンドインさせましたから。単純に「すごいな」と思いますね。

当連載の著者、秋山翔吾選手への質問を募集します。上記のリンクからお寄せください

PROFILE
あきやま・しょうご●1988年4月16日生まれ。神奈川県出身。183cm85kg。右投左打。横浜創学館高から八戸大を経て11年ドラフト3位で西武に入団。プロ3年目にフルイニング出場を果たし頭角を現すと、昨季はシーズン最多の216安打を放ち、打率・359をマーク。侍ジャパンの一員としてプレミア12にも出場した。主なタイトルは最多安打(15年)、ベストナイン(15年)、ゴールデン・グラブ(13、15年)。
秋山翔吾の“Show Must Go On!!”

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現役選手による隔週連載コラム。

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