チームの勝敗の部分でもっとプレッシャーを

12月1日、西武プリンスで3年2億円+出来高で契約を更改した/写真=内田孝治
来季に向けて、より一層、しっかりやらないといけないと強く思いました。12月1日、契約更改を行い、サインしました(3年2億円+出来高=金額は推定)。複数年契約を結びましたが、単年契約なら今年の成績では2億円に届かなかったでしょう(昨年は推定1億5000万円)。チームに必要ということの契約でしょうし、非常にありがたかった。複数年契約だと、周囲から“保障されている”と見られがちになります。結果を残せなければ、“気持ちが緩んでいるのではないか”と思われてしまうでしょう。周囲から納得を得るために、さらに強い気持ちを持ってプレーしなければいけません。
年俸が上がるにつれて、責任が増すのは当たり前のことです。自分の成績だけでなく、チームの勝敗の部分でも、もっとプレッシャーを感じていかなければダメだと思います。今年も目の前で胴上げを見ました。当然悔しかったですが、これは日程上の問題もあるので。2チームだけで優勝を争っているわけではありませんから、巡り合わせでそうなってしまうことがある。それよりも、今年でいえば76の敗戦のうち、いくつかを勝利につなげられたら、また結果が違ってきたのではないかということを考えなければいけない。やはり、悔しい思いをしたくないなら、勝ち切れるところで勝っておかないといけません。
今年は打率も3割に届きませんでしたが(.296)、それを目標にしてしまうと3回に1本打つことでホッとする部分も出てきてしまうので。だから、3割を打つことよりも次の打席、次の打席という感じで常に新鮮な気持ちで全力を傾けたい。ただ、200安打はやはりもう1回挑戦したい数字。簡単にクリアできる数字ではないですけど、それを達成するくらいの気持ちで取り組まないと、これだけの契約を結んでもらった意味はないと思っています。
狙いどおりのところにボールが来てベストスイング

頭と体がマッチした最高のスイングから“会心の一打”が生まれた

試合後には完投勝利の岸とファンの声援に応えた/写真=松田杏子
さて、話は変わって、読者から質問も多く来ていたようなので、「今年のベストプレー」を挙げてみたいと思います。そもそも1シーズンで自分の狙いどおりにボールが来て、会心の一打で弾き返せることは少ないものです。今年は171安打しましたが、その中で5本くらいでしょうか。数少ない“会心の一打”で今年、印象深かったのは7月18日の
ロッテ戦[西武プリンス]で飛び出した一発でした。
この試合から夏のイベント「ライオンズフェスティバルズ2016」が始まり、通常とは違うエメラルドユニフォームを着て戦うことに。昨年、同時期に黄色いユニフォームで試合に臨みましたが、着用した試合は全敗。その“悪夢”があったので、とにかくユニフォームが変わる最初の試合は勝ちたいと強く心に刻んでプレーボールを迎えました。
先発は岸(
岸孝之)さんで、6回表が終わって1対1の同点。その裏、僕が先頭打者で打席に入りました。マウンドには、この回から登板した藤岡(
藤岡貴裕)君。確か、彼もケガ明けで探り探りのピッチングだったようで、ボールが抜け気味で修正が利かなかった感じでした。
カウントは3ボール1ストライクとなりました。4球見て、きっとインハイにボールが抜けてくるだろう、と。打席の中で僕は「少々強引にでも、打てるボールが来たらスイングしよう」と頭で思っていました。だから、そこに目付けをしてバットを構えて。すると、考えていたとおりのところにボールが来て、それをしっかりととらえることができ、ライトスタンド中段へ飛び込む勝ち越しソロとなりました。中村(
中村剛也)さんには「ボール球を打つなよ」と冗談めかして言われましたが(笑)、自分の中でしっかりと根拠があって、狙って一発で仕留められたので。ホームランになったのは偶然でしたが、頭と体がマッチして、力むことなく、非常にいいスイングとなりました。
この試合、7回に2打席連続となる6号3ランも放ちましたが、1本目とは真逆。投手は南(
南昌輝)でしたが初球のストレートがボールになりました。次もストレートを待っていたのですが、投じられたのはカーブ。しっかりと呼び込んでバックスクリーン右へたたき込みましたが、これは完全に反応で打った一発でした。
やはり、基本的に打者はタイミングを外されながらヒットにするということが圧倒的に多いものです。だから、藤岡君から打った本塁打は本当に“会心の一打”。岸さんが完投勝利をマークして試合にも勝ちましたし(6対1)、チームがその後、乗っていけなかったのは残念でしたが、自分の中ではシーズンでも指折りの一撃でした。