趣味から仕事へ。大好きなカメラが新しい世界を見せてくれた。ファインダー越しに映る選手、ファンの表情はその一瞬にしかない確かな輝き。写真を通じて、たくさんの人に届けたい。“あのとき”は形となり、忘れられない思い出となる。 取材・文=菅原梨恵 写真=BBM、広島球団提供 
西小野涼香
写真部から開かれた道
シャッター音が響く。その先には球場観戦に訪れたファンの楽しそうな笑顔。入社3年目を迎えた西小野涼香さんは、オフィシャルカメラマンとして数々の写真をカメラに収めてきた。地元・広島に欠かすことのできない球団、球場、そして、それを支えるファン。一つひとつ、一人ひとりの思い出を形に残している。 母方の祖父が写真を撮るのが好きだったんです。それで、私が子どものころに、母に運動会などを撮影する用にカメラを譲ってくれて。それを私が勝手に触り始めたのが、カメラを始めるきっかけでした。子どもながらにシャッターを押すのが面白くて楽しかったんですよね。
写真を撮るのが好きになって、高校で写真部に入部しました。もともと高校を卒業したら就職しようと思っていた私は、商業高校ならいろいろな資格が取れると県立広島商高に入学。ただ、そのころは特に将来の夢とかも決まってはいなくて、それこそカメラを仕事にするというのも考えてはいませんでした。
ただ、顧問の先生が結構熱血な方で、写真部に入部して本格的に取り組んでいく中で、あらためてカメラの、写真の魅力を感じるようになりました。撮っていると、その人のクセじゃないですけど、その人にしかないもの、独特の雰囲気とか人柄が表れてくるんですよね。それを見たり感じたりできるのも楽しいですし、私が撮った写真をほかの人に「いいね」って言ってもらえるのもうれしかった。写真を撮るのがますます好きになりました。
とは言っても、決して自信があるわけではなかったので・・・
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