スタジアムに足を運ぶファンの満足度向上へは、スタジアムにおける企画、演出が肝となる。その作業を先導するのがエンターテインメント部だ。ただし、試合の進行が第一であることは言うまでもない。限られた時間、タイミングの中で、最良の方法を模索しながら、盛り上げに一役買っている。 取材・構成=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎 
取材日はちょうど小深田大翔の誕生日で、練習時にハッピーバースデーの映像と音楽を流してお祝い。ビジョン制作や流すタイミングなど、そのすべてに関わっている
秒単位の微調整も
スタジアムでは試合を盛り上げるためにさまざまな演出やイベントが開催される。選手が打席やマウンドに向かう際に流れる音楽、ビジョンに映される映像、イニング間のパフォーマンス、選手の記録達成時に行われるセレモニー……。その根幹を担う仕事をしているのが、片岡敬貴さんが所属しているエンターテインメント部だ。ファンを楽しませるためのアイデアを出して演出に取り入れ、試合を邪魔することなく運営していく。選手は試合に集中でき、ファンには楽しんでもらう。そのために今日も準備を怠らない。 場内演出をはじめ、照明、ステージ、外周、スマイルグリコパークの管理運営が管轄部署となっており、あんなことをやってみたい、こんな演出をしてみたい、そういった思いを具現化し一つひとつの試合の演出をする。そして試合が滞りなく進むように進行するというのがエンターテインメント部の仕事です。ただ、私たちの仕事には正解がない。もちろんすべてのお客様が喜んでくださることを目指していますが、全員が納得する演出はとても難しい。だからこそ一人でも多くのお客様が納得する演出ができることをまずは意識しています。
記録達成時のセレモニーでは、試合中に記録を達成した際、どのタイミングでパネルを渡すのか、映像を出すのか、音を出すのか、MCを入れるのか、それらの時間を計算しながら台本を作り、現場の広報と選手に確認を取り、そのとおりに進行できるようサポートしていきます。試合の邪魔にならないよう進めていかなくてはいけませんから、何かが起きてもすぐに対処できなくてはいけません。そのためあらゆる状況、ハプニングを何パターンも想定して備えています。そうすれば何が起きてもその想定していたどこかに引っかかり、対応することが可能になりますから。また試合中に急遽ビジョン用のグラフィックを作ってもらうこともありますし・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン