2年連続で12球団トップの得点数を記録したヤクルト。切れ目のない強力打線が躍動するその裏側には、打撃コーチのみならず、たくさんのスタッフの存在が。現役通算159登板の渡辺恒樹もその一人で、今は打撃投手として打者の活躍を支えている。 取材・構成=小林篤 写真=BBM、ヤクルト球団 メンタルが重要な仕事
2005年に創設1年目の楽天に入団し、スタートしたプロ野球人生。07年にはリーグ最多の65試合に登板し、チームトップの15HPも記録。その後、10年途中にトレードでヤクルトへ移籍し、12年オフに現役引退を決意した。リリーバーとして楽天、ヤクルトを渡った左腕の次なる舞台は打撃投手。毎試合、同じユニフォームを着た仲間へ投げ続ける。その仕事は今年、節目の10年目を迎えた。 選手を引退して、裏方としての仕事が始まりましたが、まず苦労したのが打撃投手以前の話でした。「サポートって何をすればいいの?」というところからのスタート。ついこの間まで選手としてプレーしていたのが、いきなり支える立場になり、何をどうしていいかが分かりませんでした。先輩に質問してアドバイスをいただきながら日々動いていたことを覚えています。
当然、打撃投手も初めてでしたのでこちらも苦労しました。第一はやはり球のスピードです。抑えるために投げてきたのが、今度は打ってもらうために投げなければいけません。今では、自分の中でベストなスピード帯、97~98キロを維持して投げているのですが、最初はなかなかうまくいかず。どうしても速い球を投げてしまったりしていましたね。
試合前に行われる打撃練習ですが、ヤクルトでは投げる順番がだいたい決まっていて、僕は代打の一番手など、控え組の選手に投げることが多いです。打席に立つのはだいたい4~5人で、一人あたり25球前後でしょうか。合計で、毎試合120球前後を投げることになります。
投げる中で特に心掛けていることは・・・
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