
リクエスト制導入で、早い回でのビデオ判定は少なくなるとは思います。しかし、なぜ日本独自の路線を歩もうとするのかが分かりません/写真はイメージ=BBM
キャンプも終盤に入り、選手たちの疲れもピークになるころです。ケガには気をつけてほしいです。さて前回は二段モーションの話をしましたが、今回はもう一つ気になるルール改正があったので、その話をしたいと思います。キャンプの話ではなくてすみません。
今季から、リクエスト制が導入になります。メジャー・リーグのチャレンジ制と違い、日本のプロ野球では2回までと決まっています。ここで私なりの疑問です。いままでプロ野球の試合の中で、ビデオ判定を1試合2回以上行ったことはありましたか? 記憶にないですよね。「2回までって、今までと変わらないじゃん!」というのが最初の感想でした。
ただ、これまでは無制限だったわけで、この中で2回以上はなかった。しかし、ここにはっきりと2回という制限ができたことで、間違いなく監督はいろいろな状況を考えてしまうと思います。さまざまな状況を想定しながら試合に臨みますからね。
今季からは、9イニングの試合展開の中で、このリクエストの場面が出た場合というのも、頭のスミには入れておくわけです。いつ使うのか、多くの場合、試合の大事な場面で使用しますよね。試合が決まるか決まらないか、というときにリクエストを使おうとした中ですでに2回を使い切っていたとしたら凡ミスもいいところですからね。
そう考えると初回などの早い段階からリクエストを使うことはないと思います。制限がつくことで、序盤戦に、ある程度の曖昧な判定でも、試合が止まるということはなくなるだろうな、と考えます。その意味では、いい制度だな、とは思います。
一方で、なぜリクエストという日本独自のものになったのかが、理解できません。どうしてメジャー・リーグと同じチャレンジ制にしないのか。メジャーのチャレンジ制は、1試合に2回だけビデオ判定を要求できます。ここまでは一緒です。違う部分は、判定が覆った場合、チャレンジをしたチームの回数がそのまま継続されます。つまりもう2回、制度を使えるのです。
メジャー30球団が行う162試合の統計を取った中で決めたチャレンジ制ですから、それなりの根拠があるわけです。それならメジャーに合わせるべきでは? と疑問が残るわけです。コリジョンルールにしてもメジャーが改正して1年後には日本でも導入したわけですよ。敬遠も申告制になるわけですよね。それだけメジャーに合わせるのなら、リクエストもチャレンジ制にすればいいと思います。
世界大会が多くなったからこそ、選手たちのためにルールも世界基準にすべきです。リクエストにしても、世界と同じルールでやることで選手たちが、当たり前のように動けるわけですから。それが、日本が常に世界トップレベルで戦える基礎になると思うのです。
PROFILE 大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で
西武に入団。トレードで
巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは
楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。