
絶対的なクローザーである松井裕を7回に持ってきて、相手の勢いを抑えることでチームに勢いをつけさせる方法もいいのでは?と思います/写真=BBM
先週の週刊ベースボールは
西武の埼玉移転40周年の特集で、西武OBとしてうれしい企画でした。私自身はまったく活躍をしていないので、貢献はしていません。しかし、この特集で私の名前が1カ所だけ出てきました。
それがリポーターだった中川充四郎さんの記事です
(→こちら)。光栄にも少し褒めていただいているみたいで、うれしいです。2008年に
渡辺久信監督の下で打撃コーチに任命されました。「打撃のことは分からないからデーブに任せるよ」ということで、さまざまな取り組みをしました。その中に銀仁朗(
炭谷銀仁朗)とともに始めたアーリーワークもあります。
当時、そういう名前は付けていませんでした。早出特打ち的な言い方だったと思います。このとき中川さんに聞かれたのです。「デーブ、早出的な言い方だと古臭く感じるんだけどね。デーブが教育リーグに行ったときには、何て言っていた?」と聞かれました。私は「そういう感じの言葉はないのですが、あえて言うならアーリーワークですかねえ」と答えました。
そこからです。中川さんがリポートの中で「アーリーワーク」という早出特打ちをしているという話をしてくださり、この言葉が定着したのです。だからアーリーワークという言葉を最初に使った方が中川さんです。そういう思い出もよみがえってきました。
さて、パ・リーグのもう一つの古巣であります
楽天ですが……。この原稿を書いている時点で8勝しかしていません。1位の西武が23勝9敗で最下位の楽天が8勝23敗1分けと勝敗がほぼ逆ですよ。これはいくらなんでも想像していた以上のスタートダッシュ失敗でした。
打線の調子がなかなか上がってきません。それにより投手陣も崩壊し、悪循環だらけです。投手陣は打線が打たないと「0点で抑えきらないと」という変なプレッシャーが出てきますし、打線も投手陣に対して申し訳なく思うようになります。それが進んでいくと「投げてもどうせ点を取らないし」に近いような感情が生まれて、よくない方向に行ってしまうときがあります。
そういうときこそベテランのひと言などがチームを結束させるのです。ただ単に「明日頑張ろうぜ!」と言うだけでもいいんです。一也(
藤田一也)や嶋(
嶋基宏)などがそういう役に適任です。多分言っていると思いますし、やれるだけのことはやっていると思います。
梨田(
梨田昌孝)監督も本当に名将ですから、必ず立て直してくれると思いますが、私個人的には劇薬も必要かな、と思っています。それは何か──。絶対的なクローザーである裕樹(
松井裕樹)を7回のリリーバーに配置転換するのです。まず、早いイニングで相手の攻撃の芽を摘むというのもいいかもしれません。これは名案だと思いますがいかがでしょうか。
PROFILE 大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で西武に入団。トレードで
巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。