
勇人がいい時期に、いい形で復帰してきました。若手も含めこの8月が勝負の月です。本当に楽しみです[写真=BBM]
先週末の
中日との3連戦(東京ドーム)は3連勝。その前の
阪神戦から4連勝といい形で勝つことができました。中日には3試合とも8回に点数を入れており、流れとしては良かったです。
特に7月30日は先発の柳(
柳裕也)のゆったりとしたモーションやクイックに惑わされて、なかなか点を取ることができませんでした。それでも投手陣が0点で抑えたことで、こちらに流れを呼ぶことができました。やはり最近は先発陣を含め、安定した投球をしてくれています。特に先発の伊織(
山崎伊織)が安定して試合をつくってくれています。戸郷(
戸郷翔征)もいいのでチームにいい流れが来ています。
そして30日の試合でのキーマンは8回の勇人(
坂本勇人)でした。2ストライクを取られて、そこからファウルを挟んだあと、四球を奪い取りました。これで梶谷(
梶谷隆幸)が犠打。そして和真(
岡本和真)が申告敬遠という流れの中で、秋広(
秋広優人)がうまく落ちる球をライトへ持っていく先制2点適時打でした。さらに八番の門脇(
門脇誠)も2点適時打で4点を奪えました。
見た目は、秋広、門脇と若手が活躍したように見えますが、やはり勇人が勝負時をしっかりと見極めて、ヒットがダメなら、四球でも先頭で出るという働きをしたからです。やはりベテランの力は大きいとあらためて感じました。
もちろん、復帰した7月28日の中日戦初戦のような4打数3安打という派手なパフォーマンスも勇人の真骨頂ですが、今回のような地味だけど、勝負どころをわきまえている仕事ぶりは、チームにとって非常に大事なことです。それができることで若手に手本を見せることができますし、安心することができる。
勇人や丸(
丸佳浩)が戦列を離れている間、もちろん翔(
中田翔)もいますが、若手に「自分たちが頑張らないと」という変な力みが生じてしまっている部分がありました。しかし、この2人が帰ってきたことで、その気持ちが「坂本さんがいるから。丸さんがいるから」という良い意味でいい方向へとリ
ラックスすることができるんです。
その結果の4連勝でもありました。また勇人が帰ってきたことで、相手の若手投手に対しても優位に立てます。2000安打の大打者、小さいころにテレビで見ていた選手と対峙するわけですから、それだけでも勇人が優位に立てるのです。
その勇人は10日間、下でミニキャンプのようなことをしてから上がってきましたので、体力的に上がってから一軍に合流しています。私も開幕直後から“8月が勝負”と言ってきました。その8月を前に主軸中の主軸である勇人が、体力的にも充実して帰ってきた。そして4連勝です。勝負の月に入る前に、いい形で7月を終えることができました。さあ、ここからが本当の勝負、スパートをかけていくときです。
PROFILE 大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で
西武に入団。トレードで
巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは
楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。今年から巨人一軍打撃チーフコーチを務める。
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