
今季の巨人は、投手陣が好調です。これに打撃陣も続いてほしいです。そのためにはやはりチーム内の意思疎通が大事になってくると思いますね[写真=BBM]
今年の巨人は投手陣が頑張っています。チーム防御率はリーグ3位ですが、それでも2.40(6月9日時点)と非常にいいです。
広島と
阪神の投手陣がそれ以上にいいだけの話で、通常であれば、リーグ1位をぶっちぎりで走ってもいいほどの出来です。
現在(6月9日)は貯金2の3位にいます。でも気分的にいい位置にいるな、とは思っていないはずです。貯金10くらいあって初めて首位に立っているな、という気分になります。今季そういう気持ちでいるのは
ソフトバンクのみだと思います。しかも1位・広島と2位・阪神の差がほとんどありません。
今季も強いと予想されていた阪神。それがなかなか思うような勝ちができず、周りから見ても苦しんでいるなあ、と感じるくらいです。それなのに貯金があるんです。やはり実力のあるチームだし、今後要注意をしないといけない、という嫌な雰囲気を醸し出しています。
その中で巨人は……打撃陣の打率が低いのは気になりますが、作戦は
阿部慎之助監督らしい采配だと思っています。セオリーどおりと言うと語弊がありますが、ここはこうしたほうが相手が嫌がるだろうというサインを出しています。さすが捕手出身だな、とも思います。
そのサインに野手陣もしっかりと応えています。これはやはり、昨年までの原(
原辰徳)前監督が選手たちを育ててきた上での結果かな、と思うんです。昨年、私も原前監督と阿部ヘッドコーチの下で1年間現場にいました。「ここでこのサインを出せば、スムーズに流れをつかめるのにな」というところで、そのまま打たせてゲッツーになったりしていました。最初は「なぜ?」と思っていましたが、原さんの中では、次の監督への引き渡しのために、選手たちに経験を積ませるという意味があったんです。
その選手たちが、新監督になり、そのサインに応えられるようになっている、だからこそ順位的には優勝を狙える位置で戦えているのだと思います。それでもチーム打率は.232(リーグ5位)と低い。そこが解消されれば、投手陣がいいだけに抜け出せると思います。
一つの提案として、ミーティングで監督の方針を打撃コーチとスコアラーでしっかり練り合わせをして、明確な言葉で選手たちに伝えコミュニケーションを取っていくことが大事だろうと思います。巨人の選手は、本当に能力の高い選手が多い。そのために人の意見をあまり聞かないというか、独自のスタイルがあると思ってしまうんです。
そこは1日10分でいいのでコミュニケーションを取って、試合の中での、その打者の役割を明確にしてあげることだと思います。それが明確であれば、能力の高い打者が多いだけに、打線は機能していくのだと思います。今年は投手陣がいいからこそ、試合に勝つためのチーム打撃もできる。そこに期待しています。
PROFILE 大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で
西武に入団。トレードで巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは
楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。昨年は巨人一軍打撃チーフコーチを務めた。
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