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立浪和義のコラム

日本のキャンプは変わるべき

 

ルーキー時代の春季キャンプでの立浪氏


 この号の発売日は2月1日、いよいよ春季キャンプの初日となります。私も現役当時、身の引き締まる思いで、毎年、この日を迎えたことを思い出します。

 今年に関しては、2月23日から代表キャンプが始まり、3月7日に1次ラウンド初戦キューバ戦が行われる「WBC組」が、まったく別メニューとなるはずです。私は、これをいい機会とし、各球団が春季キャンプのあり方を見直してもいいのではないかと思っています。

 従来、春季キャンプは一部のベテランや故障者を除けば、午前中から15時近くまでチームでメニューを組んだ、いわゆる全体練習が続き、その後で若手が特打や特守を行う流れがほとんどだと思います。私は、現役時代から日本のキャンプはチームが管理する練習時間が長過ぎると思っていました。

 もちろん、ムダな練習はないと思いますし、高卒1、2年目の選手なら、昔のキャンプのイメージのように猛練習で追い込み、ガムシャラに取り組ませてもいいのかもしれません。ただ、当たり前ですが、個々の選手で持っている能力はまったく違います。レギュラーとレギュラーを目指す選手、一軍入りボーダーラインの選手、まだまだ体作りの選手という違いもあるし、バッティングに課題がある選手、守備に課題がある選手もいます。バッティングだけで考えても、個々でキャンプの時期に取り組むべきテーマがまったく違うはずです。みんなで同じような練習を長くやるより、一定のレベルに来たら各自に責任を持たせてやったほうが必ずいい結果が出ます。

 さらに言えば、例えばですが、解雇寸前の選手なら、その選手が生き延びるため、バッティングでも守備でも走塁でもいいのですが、アピールポイントとなる部分を徹底的に鍛えたほうが選手自身も納得できるはずです。結果的に走りや守備などのスペシャリストが増え、チーム全体の力もアップするのではないでしょうか。

 私自身、ある程度キャリアを積んでからは、1年1年、自分なりのテーマを持ってキャンプに入りました。一番難しいのはバッティングの技術的な修正をどの程度するのかです。もちろん、前の年がまったくダメなら必死に取り組むべきですが、ある程度、結果が出たときのほうが迷います。以前も書いたように、一流になるためには、現状に満足せず、妥協することなく向上心を持って取り組むことが重要です。ただ、前の年に好調だった選手が、新しいことに取り組み、不振に陥ってしまう例もたくさん見てきました。

 私の場合、いい結果を出せたシーズン翌年のキャンプは、よかった部分を伸ばし、その技術を常に維持できるような体力をつけることを考えました。特に、ある程度、自分のバッティングはこれだ、という確信を持ってからは、大きく変えるというより、技術の狂いの微修正を、そのときの年齢なりの体のコンディションに合わせてやってきました。

 いろいろな考え方はあるでしょうが、選手個々の自主性を尊重しながら、それぞれが違ったメニューをこなすチームが日本球界に出てきたら面白いと思います。読者の皆さんはどう思いますか。

PROFILE
たつなみ・かずよし●1969年8月19日生まれ。大阪府出身。PL学園高からドラフト1位で88年中日入団。1年目からショートのレギュラーをつかみ新人王、ゴールデン・グラブに。その後、95年から97年とセカンド、03年にはサードでゴールデン・グラブに輝き、96年にセカンド、04年にサードでベストナインを手にしている。09年限りで引退。通算2586試合2480安打、135盗塁、打率.285。487二塁打は日本球界最多記録でもある。
立浪和義の「超野球論」

立浪和義の「超野球論」

そのときどきで気になった選手や試合、さらに、私が感じたポイントについて書いていきたいと思います。野球をより深く知りたいという方、また、もっともっと野球がうまくなりたいという中学、高校生のみなさんにも参考になる連載になればと思っています。

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