週刊ベースボールONLINE

立浪和義のコラム

国際化よりファン目線が重要では

 

二段モーションで昨年はあれだけ苦労した菊池だが……


気になる一貫性のなさ


 敬遠の申告制、リクエスト制度、二段モーションの事実上の解禁と、今シーズンも、たくさんのルール変更があります。コリジョンルールやセカンドへの危険スライディングもそうでしたが、WBCが始まってからは、国際化という名目の下、アメリカが採用した後、1年後に日本も、という流れが定着しています。

 正直なところ、私はこの流れにあまり賛成ではありません。いいものはどんどん取り入れるべきとは思いますが、「アメリカでやっているから」と、安易に導入しているようにしか見えないからです。

 もう一つ、一貫性のなさも気になります。

 二段モーションにしても、私が現役時代、横浜の三浦大輔君など多くの投手が取り入れていました。軸足にためを作るためのもので、特に足を上げるタイプのバッターはタイミングを取るのに少し苦労することがあります。ずっと同じ二段モーションならまだいいのですが、クイックを交えてくると、かなり厄介です。

 2006年シーズンを前に、これを不正投球とすると見解が出ました。そのときはかなり厳密にやり、三浦君をはじめ、苦労して修正していました。バッターが「足を上げたら、それを止めるな」と言われても、体に染みついたフォームなら、なかなか修正できません。自分自身のリズムもありますし、大変だなと思って見ていました。

 ただ、それから年々ゆるくなっていたと思ったら、昨年それが突然厳しくなって、西武菊池雄星選手を狙い撃ちにするような形になりました。

 今年は逆に事実上の解禁です。選手にもそうですが、見ているファンに対しても、こういう一貫性のなさはよくないと思います。

日本には日本の素晴らしさ


 リクエスト制度にしても、実際にやってみなければどうなるのか分かりませんが、試合の流れを止めてしまう危険はあります。たとえば、ダブルプレーでの塁の踏み方やファーストの捕球時の足の離れ方は、暗黙の了解というのか、流れの中であれば、さほど厳密にはなっていません。それをいちいちリプレーで検証してどうするのか、とも思います。

 また、「2回使えるのに、まだ一度も使ってないから」と、終盤のどうでもいい場面で抗議し、プレーが長時間中断したら観戦しているファンの興味を削いでしまいます。

 私は国際的基準も、もちろん重要だと思いますが、「アメリカが変えたから日本も」ではなく、やはりお客さん、ファンがどのようなプレー、どのようなゲームの流れになれば、一番喜んでくれるのかをもっともっと考えたほうがいいのではないかと思っています。

 日本には日本の素晴らしい野球があります。もう少し、そこにこだわるべきではないでしょうか。

PROFILE
立浪和義/たつなみ・かずよし●1969年8月19日生まれ。大阪府出身。PL学園高からドラフト1位で88年中日入団。1年目からショートのレギュラーをつかみ新人王、ゴールデン・グラブに。その後、95年から97年とセカンド、03年にはサードでゴールデン・グラブに輝き、96年にセカンド、04年にサードでベストナインを手にしている。09年限りで引退。通算2586試合2480安打、135盗塁、打率.285。487二塁打は日本球界最多記録でもある。
立浪和義の「超野球論」

立浪和義の「超野球論」

そのときどきで気になった選手や試合、さらに、私が感じたポイントについて書いていきたいと思います。野球をより深く知りたいという方、また、もっともっと野球がうまくなりたいという中学、高校生のみなさんにも参考になる連載になればと思っています。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング