
締め切りの関係で2試合目の結果は分かりませんが、おそらく好投してくれているのでは……/写真=前島進
いかに球数を減らすか
開幕から苦戦が続いているドラゴンズですが、今回は開幕投手を務めた
小笠原慎之介選手について書いてみたいと思います。3月30日、開幕の
広島戦は、僕もマツダ広島で取材をしていました。プロ3年目、20歳5カ月での開幕投手は、2リーグ制後では球団史上最年少です。
あの日は、開幕戦の重圧に加え、マツダ広島は客席がほとんど赤一色。当然、かなり緊張していたと思います。立ち上がりから制球が定まらず、初回、3回に1点ずつ失いましたが、5回までは必死に粘って、まずは合格点のピッチングでした。
ただ、味方打線が逆転してくれた6回の裏はいただけませんでした。
エルドレッドに同点弾を浴びるなど、3失点で降板となっています。
問題は、以前からの課題だったスタミナですね。飛ばしていたこともあったんですが、6回は疲れが見え、球が上ずったところをカープ打線につかまってしまいました。これは純粋にフィジカル面の不足というより、球数もあります。6回途中に100球を超え、最終的には112球でした。この回を仮に無失点に切り抜けたとしても完投は難しい球数です。4四球を出していますが、もっとストライクを先行させ、球数を減らしていくのが、これから勝ち星を積み上げていくための一つカギですね。
基本は真っすぐ
光るものも感じました。それはストレートの質です。小笠原選手のしっかり指にかかったストレートは素晴らしいものがあります。打者の中には、彼の球が重いという声もあるようですが、どうでしょうね。単に足が太いからじゃないですか(笑)。いや、失礼、冗談です。それだけゆったりしたフォームから回転のいい球を投げ込んでいるので、差し込まれ重く感じるということでしょう。あとは、いかにそれをコンスタントに投げていけるかです。
もともと小笠原選手は、真っすぐがメーンの投手でしたが、チェンジアップと目先を変えるカーブを磨き、3球種がそれぞれ勝負球になって安定感が増しました。投球の組み立ても楽になったと思いますが、実は、逆にそれが落とし穴にもなりかねません。
忘れてはいけないのが、あくまで真っすぐが基本ということです。特にチェンジアップの場合、真っすぐがしっかり軸になり、それと同じフォームで投げ込むことで打者のタイミングを崩します。
素晴らしい力を持っている投手であることは誰もが認めています。この開幕戦もいい経験になったと思いますし、今後の成長に期待したいですね。また、成長してくれなくては困る投手でもあると思います。
PROFILE 立浪和義/たつなみ・かずよし●1969年8月19日生まれ。大阪府出身。PL学園高からドラフト1位で88年
中日入団。1年目からショートのレギュラーをつかみ新人王、ゴールデン・グラブに。その後、95年から97年とセカンド、03年にはサードでゴールデン・グラブに輝き、96年にセカンド、04年にサードでベストナインを手にしている。09年限りで引退。通算2586試合2480安打、135盗塁、打率.285。487二塁打は日本球界最多記録でもある。