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立浪和義のコラム

立浪和義コラム「福留選手の四球がポイントだった開幕戦。根尾選手には失敗を恐れずにやってほしいです」

 

さすがの存在感を見せた中日・福留


効果的だった代打、代走策


 いよいよシーズンが開幕。私も初仕事として広島─中日の開幕戦(マツダ広島)でテレビ中継の解説をさせていただきました。

 中日が福谷浩司選手、広島が大瀬良大地選手の先発でしたが、広島に1、2回で4点を先制され、しかも大瀬良選手は、ほぼ完璧なピッチング。0対4で迎えた8回は、あきらめムードすら感じられました。

 ここでまず、先頭の木下拓哉選手が二塁打を放ち、投手ゴロで一死となったあと打席に入ったのが、42歳のベテラン・福留孝介選手でした。点差もあったので、大瀬良選手は「走者をためたくないな」と思っていたはずですが、さすがの選球眼で四球を選んでいます。

 ここが1つポイントになったと思います。チームの雰囲気がガラリと変わりました。昨年はこういう場面での畳みかけるような攻撃ができなかったチームですが、大島洋平選手がヒット、阿部寿樹選手がタイムリーと続き、四番のビシエド選手の2ランで逆転としています。

 この日、ビシエド選手はタイミングが合わず、あの打席までは完全に差し込まれていました。三番手で登板したケムナ誠選手もインコースを攻めたかったと思いますが、きっちり決め切る制球力がなく、外中心になっていました。おそらくフォーク系をはさめばまた違ったのかもしれませんが、抜けて高めに浮けばビシエド選手の絶好球ですし、走者が三塁にいたので、暴投も怖かったのだと思います。結果的には外の高めをライトにホームラン。狙ったというよりは、出したバットに当たったような形で、もう少し真ん中寄りでも強い球なら差し込まれていたかな、と思うスイングでした。

根気よく続けてほしい


 9回もよかったですね。代走の高松渡選手の二盗も効いて代打の井領雅貴選手、大島選手の連続タイムリーで2点を加え、7対6で勝利。攻撃陣に関しては、最高の形をつくれた試合だったと思います。投手陣も先制され、最後9回裏に2点を取られましたが、3回から8回まで無失点に抑えたことは大きかったですね。1点でも取られていたら、流れを取り戻すのは難しかったでしょう。

 この試合で、3年目の根尾昂選手が「八番・レフト」に入り、1打席目にレフト前ヒット、2回の守備では背走しながらのナイスキャッチもありました。キャンプからずっと見てきた選手だけに「よかったな」と思う部分もありますが、厳しい言い方をすれば、やっと「1年間、使ってみたいな」と首脳陣に思わせる雰囲気が出てきただけです。今後、外国人選手もやってきます。それでも使い続けたいと思わせるアピールができるかどうかでしょう。

 まだまだ、課題はたくさんある選手ですし、強く振り過ぎるクセがあるので、打てない時期が必ず来るはずです。私が1つアドバイスをするとしたら、失敗を恐れずにやってほしいということです。漠然と怖い物知らずでやっていけ、という意味ではありません。その日、その日、これをしたい、しなきゃいけないというテーマは必ずあるはずです。それに対し、しっかり取り組み、うまくいかなければ練習する、という繰り返しを、これからシーズン中も根気よく続けてほしいと思っています。

PROFILE
立浪和義/たつなみ・かずよし●1969年8月19日生まれ。大阪府出身。PL学園高からドラフト1位で88年中日入団。1年目からショートのレギュラーをつかみ新人王、ゴールデン・グラブに。その後、95年から97年とセカンド、03年にはサードでゴールデン・グラブに輝き、96年にセカンド、04年にサードでベストナインを手にしている。09年限りで引退。通算2586試合2480安打、135盗塁、打率.285。487二塁打は日本球界最多記録でもある。
立浪和義の「超野球論」

立浪和義の「超野球論」

そのときどきで気になった選手や試合、さらに、私が感じたポイントについて書いていきたいと思います。野球をより深く知りたいという方、また、もっともっと野球がうまくなりたいという中学、高校生のみなさんにも参考になる連載になればと思っています。

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