
「すでに技術的にも高いものを持っている」と立浪氏が称賛
投手陣で抜け出した阪神
まだ、どのチームも15試合前後と試合数は少ないですが(4月11日現在)、セ・リーグでは
阪神が少し抜けています。
前年2位となり、前評判もよかったチームです。特にピッチャーがいいですよね。先発で
西勇輝選手、
青柳晃洋選手、
ガンケル選手、
秋山拓巳選手がいて、勝ち運のなかった
藤浪晋太郎選手にも4月9日の
DeNA戦(横浜)で勝ち星がつきました。リリーフ陣でも
岩崎優選手、
岩貞祐太選手、
スアレス選手らが安定したピッチングをしています。
打線も昨年はなかなかタイムリーが出なかった印象がありましたが、今年は勝負強さがあります。
糸原健斗選手、
サンズ選手も好調ですし、打率は今一つですが、新人の
佐藤輝明選手が随所でチームに勢いをつける一打を放っています。
ここまでの戦いは、各球団本当に大変だと思います。外国人選手が全員来ているわけではないですし、
巨人、
ヤクルトと新型コロナによる選手の大量離脱もありました。特に投手陣には、外国人選手の来日遅れの影響が大きいチームが多く、実際のチーム防御率の数字以上に低調な印象を受けます。その中で、セに関しては先発投手が計算できている阪神、
広島が少し抜けているということでしょう。
投打で、もっとも受けているのはDeNAです。打線では
ソト選手、
オースティン選手、投手陣ではエスコバー選手の不在によりスタートで大きくつまずいてしまいました。やっとソト選手、オースティン選手が一軍に合流し、
三浦大輔新監督もホッと一安心でしょう。
ソト復帰でどうなるか
ただ、この外国人選手不在の中で、若い選手にチャンスが巡ってきたのも事実です。DeNAで言えば、一塁に定着している中大から入団した新人・
牧秀悟選手です。打率.383、4本塁打、14打点はいずれもリーグトップ3以内になっています。
もちろん、相手にまだ情報が少なく、新人選手として怖いものなしでやっている、という部分もありますが、私はすでにかなり高い完成度があるバッターだなと感じています。決してたまたまの数字ではありません。
まず、見ているとボールを呼び込む形がよく、しっかり軸足に体重を乗せて、引き付けて自分のポイントで強いスイングをしています。ボールを追い掛けて崩れたりということもないですし、体力面にバテる時期は必ずあるでしょうが、うまくコンディションを維持していけば、コンスタントに結果を出せるバッターだと思います。
三浦監督が頭を悩ませるのはソト選手が戻ってからでしょう。ソト選手は他ポジションもできますが、やはり一塁が一番安心して見ていられます。牧選手は大学時代、セカンドでしたが、そちらには
柴田竜拓選手、
大和選手がいて、現時点で守備的には牧選手より上です。これだけ打っていますから、ひとまずセカンドスタメンで牧選手を使い、柴田選手はショートでの起用になるでしょうが、少しでも調子を落とせば代えられるという不安も出てくるはずです。守備の負担自体もファーストとセカンドは違いますし、今ほど打撃に集中はできないかもしれません。
いずれにせよ、シーズンはまだ始まったばかりです。外国人選手、新型コロナで離脱の選手の復帰で、戦いの勢力図はどんどん変わってくるはずです。9回打ち切りもあって、例年以上に投手陣、特に先発が安定しているチームが走っていく可能性が高いのかなと思っています。
PROFILE 立浪和義/たつなみ・かずよし●1969年8月19日生まれ。大阪府出身。PL学園高からドラフト1位で88年
中日入団。1年目からショートのレギュラーをつかみ新人王、ゴールデン・グラブに。その後、95年から97年とセカンド、03年にはサードでゴールデン・グラブに輝き、96年にセカンド、04年にサードでベストナインを手にしている。09年限りで引退。通算2586試合2480安打、135盗塁、打率.285。487二塁打は日本球界最多記録でもある。