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立浪和義のコラム

立浪和義コラム「カープ躍進のカギを握る森下暢仁選手と栗林良吏選手」

 

現在6セーブを挙げている栗林


2年目のジンクスはない


 セ・リーグは相変わらず阪神が好調です。昨年は投手力がありながら打線は迫力に欠けるところがありましたが、現状(4月18日現在)ではチーム打率、防御率、本塁打、盗塁がすべてリーグトップと攻守走のバランスがよく、戦い方が安定しています。打線に関しては、すでに5本塁打の新人・佐藤輝明選手効果もあると思いますし、やはり新外国人選手以外、すべて開幕に間に合ったのも大きいですね。投手、野手とも、それぞれに存在感を発揮しています。これからアルカンタラ選手、ロハス・ジュニア選手と昨年まで韓国球界で活躍した選手が合流してきますが、現在の状態を見ていると、彼らの一軍での出番は少し先になりそうです。

 セ・リーグは、この阪神を新型コロナで丸佳浩選手らの離脱があった巨人が追う形ですが、私は大瀬良大地選手の離脱の不安はあるものの、3位につけている広島も、ここまでは、まずまずの戦いをしているなと思います。

 私はカープの投手陣の中では、プロ2年目の森下暢仁選手に注目しています。昨年も120試合制の中で10勝を挙げ、新人王に輝いていますが、最近、特に彼のように腕をしならすように投げるタイプは、ルーキーイヤーはそこそこ勝てても、なかなか2年間成績が続かない傾向があります。私は投手出身ではありませんので、細かいメカニズムまでは分かりませんが、森下選手も前年1年間フルで投げていましたし、変則スケジュールでオフも短かった。今年の出だしはどうなるのかな、と思って見ていました。

 それが3月30日の阪神戦(マツダ広島)が6回無失点、4月6日のヤクルト戦(神宮)が完封と素晴らしいピッチングをしていました。14日の阪神戦(甲子園)では、少し投げにくそうにしていましたが、気温が随分下がりましたし、プロ初のスライドということで勝手が違っていたのかもしれません。

完成度の高さ


 彼のいいところは、何より強い真っすぐですね。私は現役時代からたくさんの好投手を見てきましたが、共通点は「ストレートへのこだわり」です。真っすぐが走らないと、いくらいい変化球でも合わされてしまうし、逆に真っすぐが走れば、ほかの変化球も生きます。

 先ほども触れたように、森下選手は速いだけでなく、腕をしならせるように使い、肩の可動域が広いので球持ちがいい。それでなくともバッターはタイミングが取りにくいはずですが、さらに要所要所でドロンとしたカーブも投げてきます。

 球種すべてがカウント球にも勝負球にもなる完成度の高いタイプですね。ずっと好調を維持することは簡単でありませんが、細身ながらスタミナもありそうです。故障さえなければ相当勝てるだろうと思っています。

 もう1人、カープではドラフト1位の栗林良吏選手もいいですね。トヨタ自動車から入り、即戦力と言われていましたが、いきなり抑え起用で9試合に投げて失点0、被安打もわずか2本です。抑えとなれば、登場はすべて重圧が掛かる場面ですが、物怖じすることなく、腕を振って投げ込んできます。

 彼も森下選手同様、真っすぐがいいですね。これにフォークを交えた抑えらしい組み立てをしますが、カーブ、スライダーもあり、こちらも非常に完成度の高い投手だと思います。

PROFILE
たつなみ・かずよし●1969年8月19日生まれ。大阪府出身。PL学園高からドラフト1位で中日入団。1年目からショートのレギュラーをつかみ、新人王、ゴールデン・グラブ賞に。95年から97年とセカンド、2003年にはサードでと3ポジションでゴールデン・グラブ賞に輝いている。09年限りで現役引退。通算2586試合2480安打、135盗塁、打率.285。487二塁打は日本記録である。18年野球殿堂入り。
立浪和義の「超野球論」

立浪和義の「超野球論」

そのときどきで気になった選手や試合、さらに、私が感じたポイントについて書いていきたいと思います。野球をより深く知りたいという方、また、もっともっと野球がうまくなりたいという中学、高校生のみなさんにも参考になる連載になればと思っています。

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