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【センバツ】「恵みの雨」となった履正社と大阪桐蔭の頂上決戦

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雨天順延となったセンバツ決勝。これが勝敗にどのように影響するか


 試合開始3時間前の9時30分に、大会本部から中止が発表された。センバツ決勝戦が雨天順延となるのは2012年の大阪桐蔭-光星学院(現八戸学院光星)以来、10度目(1959年の第31回大会、中京商-岐阜商は2日連続順延)のことである。

 早い段階で決定されたのは、天気予報が悪かったのが理由。そして、両校とも準々決勝から3連戦となる疲労も考慮されたという。

 当初は準々決勝翌日には休養日が設定されていた。だが、雨天中止と引き分け再試合による日程変更で「2日順延」の扱いとなり、休養日は消滅していた。

 予報は的中し、11時30分過ぎには冷たい雨が降り始め、温度もみるみる下がる。試合開始時間にはグラウンドに水が浮いた。中止の決断は正解だったと言えるだろう。

 両校は午前10時から室内練習場で2時間、軽く汗を流した。5年前の「決勝中止」を経験している大阪桐蔭・西谷浩一監督は右腕エース・藤浪晋太郎(現阪神)を擁した12年春を振り返った。

「決勝でしかも大阪対決。良い判断をしていただいた。(明日は)良い舞台を用意していただいているので、歴史に残るような試合をして、しっかり勝って終わりたい。先輩たちはこの休みをプラスにした。そのことを選手にも伝えていきたいです」

 具体的には何なのか――。

「大会を勝ち抜くには、3つのコントロールが大事なんです。体、技術、心。気持ちをリセットさせ、再確認する時間にしたいと思います」

 さすが過去4度の決勝で無敗を誇る、甲子園通算41勝(歴代単独6位)の名将には風格があった。

 対する春夏通じての甲子園初優勝を目指す履正社・岡田龍生監督も〝水入り〟を前向きにとらえていた。先発予定は右腕エース・竹田祐(3年)だったが、多少の〝不安〟もあったと明かす。

「(準々決勝でエース右腕・三浦銀二の登板を回避させた)福岡大大濠の監督さんもコメントされていたように、勝ちたいのは山々……。ただ、選手をつぶしては……。将来ある子どもを預かっている立場なので、今日の中止は良かったです」

 大阪桐蔭もエース・徳山壮磨の先発が予定されていたという。「連投の経験もある。練習もしてきた。今日の休みは良かったが、どう出るか?」(西谷監督)。

 ある関係者は、こう見ていた。

「竹田君は力投型でだいぶ、疲れていました。対照的に徳山君は体全体を柔らかく使えるタイプで、連投も苦にしなかったと思います」

 果たして、休養が明暗を分けるか――。明日、仕切り直しである。

文=岡本朋祐 写真=BBM

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