いつもどおり落ち着き払っていた。プロ初先発を翌日に控えた4月12日。
オリックスのドラ1右腕・山岡泰輔は淡々と心境を語った。
「やっと来たかという感じはあります。でも、緊張はしていませんし、(明日も)しないと思います」
ランニング、ダッシュ、キャッチボールなど軽めのメニューを消化し、練習後に報道陣に囲まれると「なんで、こんなに(人が)いるんですか?」と笑いを誘うも、対戦相手の
ロッテ打線の印象を問われると「とにかく振ってくるイメージ。当たっている鈴木(大地)さん、井上(晴哉)さんには注意したい」と警戒心も口に。さらに強気の一面ものぞかせた。
「(初先発に限らず)投げるときはどんな試合だって負けたくないです」
チームは開幕3連敗を喫するも、その後に6連勝を飾り、2014年以来3年ぶりの貯金生活を送っている。それも、山岡を除く先発ローテ投手全員に白星が付いている状況だ。そこにドラ1右腕が先発としてメドが立てば、先発陣はさらに強固になり、3年ぶりのAクラス入り、さらには優勝争いに割って入る可能性がグンと上がる。山岡が初登板『初勝利』は、数字以上に大きな意味を持つのだ。それでも、本人に気負いはない。
「調子も(明日)投げてみないと分からない。キャッチャーミットをめがけて投げるだけ。いつもどおりです」
ロッテ・
佐々木千隼、
広島・加藤拓也ら、4月12日時点で新人4投手が勝利をマークし、ルーキー旋風が吹きつつある今季のプロ野球界。最速152㌔の直球に、キレ味鋭いスライダー、チェンジアップ、シンカーと多彩な変化球を操り、東京ガス時代は社会人No.1と呼ばれたオリックスのドラ1右腕は、プロ初登板でどんな投球を見せるのか。山岡の初登板前日にチームの連勝は6でストップしただけに、身長172㌢の小さな体には、より大きな期待が寄せられる。
※本日4月13日(木)、山岡泰輔の初先発の模様を週刊ベースボールONLINEにてイニング詳報します。
文=鶴田成秀 写真=佐藤真一