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190センチ右腕・万波中正(横浜高)が“ハマの守護神”に名乗り!!

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藤沢翔陵高戦で圧巻のリリーフ登板を果たした万波



 4月16日、横浜高は藤沢翔陵高との神奈川県大会3回戦で10対0の7回コールド勝利。16強入りを決め、夏のシード権を獲得した。

 保土ヶ谷球場が最もざわめいたのが、6回裏だった。先発した左腕エース・板川佳矢(2年)に代わり、右腕・万波中正(2年)が右翼からマウンドへ上がった。

 190センチの長身を生かしたダイナミックなフォームが持ち味の万波は先頭打者にこそ右前打を許すも、以降は三者連続空振り三振。10対0で迎えた7回裏の先頭も空振り三振と、最速142キロの真っすぐを前面に押し出し、相手打者を完全に見下ろす、圧巻のピッチングを披露した。

 コールドまであと二死としたところで、右翼のポジションに戻ったが、存在感を示すには、十分の救援だった。

 万波はコンゴ人の父と日本人の母を持つ。高校通算16本塁打。昨年4月の入学以来、右のパワーヒッターとして注目を集めてきた。昨夏の県大会では横浜スタジアムのバックスクリーンへ、弾丸ライナーを放つなど規格外の飛距離を誇る。強打者だけではなく、恵まれた体格から、投手としてのポテンシャルも高い。

 昨夏までの旧チームは右腕・藤平尚真(現楽天)、左腕・石川達也(現法大)という絶対的な2本柱がいたが、現チームは束になって戦うスタイルだ。

「チーム事情で(投手を)やることもある。やるしかない」

 昨年を通じて藤平、石川とも、右翼から救援するケースが多々あった。「試合中も準備を怠らなかった姿勢を、見習っていきたい」と、万波は先輩を良きお手本としている。

 本職はもちろん打撃。昨秋は四番だったが、今春の県大会2試合ではその座を増田珠(3年)に譲っている。横浜高・平田徹監督は「本来は不動の四番でいきたいが……。試行錯誤している段階。見守っていきたい」と静観する構えでいる。

 五番に入ったこの試合は適時打による1打点を挙げ、上り調子にある。冬場から徹底して取り組んできた外野守備、走塁にも手応えを感じており、「充実感がある」と笑顔を見せた。

 昨秋の県大会決勝(対慶應高)でも救援マウンドを経験しているが、今後も終盤の重要局面での起用が増えそうだ。〝ハマの守護神〟に名乗りを上げた万波から目が離せない。

文=岡本朋祐 写真=菅原 淳

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