
勝利の後、加藤と握手を交わす長嶋監督(右。この写真は同年の大洋戦)
プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は4月18日だ。
広島優勝の翌年、現役引退から即監督となったスター指揮官の2年目。
巨人ファンがひそかに思い描いているのが、球団史上初の最下位から優勝に輝いた第1期
長嶋茂雄監督2年目の1976年であろう。
この年、巨人は
日本ハムから移籍の外野手・
張本勲、太平洋(現
西武)から移籍の投手・
加藤初らの活躍もあっての優勝だったが、今年に関しては、日本ハムから移籍の
陽岱鋼、
DeNAから移籍の
山口俊が、いまだ一軍出場も果たせぬ始末……。いやいや、Gファンのために、いいところだけ共通点を見つけよう。
4月18日の試合前、巨人は現時点と同じく3位だったが、広島市民で巨人を待つ相手の広島は、今年のような快進撃はなく、前年の“初優勝疲れ”か6位に低迷していた。
巨人のマウンドに立ったのは、鉄仮面とも言われたポーカーフェースの加藤。荒れ球気味の快速球が武器の右腕だったが、この日は覚えたてのフォークも交え、広島打線に的を絞らせず、なんとノーヒットノーランを達成してしまった。唯一のピンチは4回二死から
衣笠祥雄、
山本浩二に連続四球を出した場面だけ。あとはすべて3人で終わらせた(5対0)。
加藤はこの年、先発、リリーフでフル回転し、15勝4敗8セーブ。昨年、加藤氏が66歳で死去した際、長嶋氏は「初優勝できたのは初っちゃんの活躍があってのものでした」と感謝の言葉を贈った。
果たして
高橋由伸監督は、長嶋監督2年目と同様に歓喜の瞬間を迎えることができるのだろうか。
写真=BBM