
“0”が並ぶスコアボードを背にお立ち台に上がった佐々岡
プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は5月8日だ。
捕手に経験が必要なこともあって、プロ野球界で、あるようでないのが“同級生バッテリー”。だが、今週ついに首位に立った
阪神では、かなり頻繁に見られる。
5月に入って7日までに責任投手となった7人のうち
秋山拓巳、
岩貞祐太、
岩崎優がいずれも1991年生まれで、つまり捕手・
梅野隆太郎の同級生だった。
1999年5月8日は、同級生バッテリーがノーヒットノーランの金字塔を打ち立てた記念日である。
広島の右腕・
佐々岡真司と捕手・
西山秀二、1967年生まれの同級生バッテリーだ。90年入団の佐々岡は抑えからスタートし、翌91年に先発転向、95年から抑えに戻り、98年半ばからふたたび先発に転向していた。
舞台は広島市民球場の
中日戦。この年、速球派から技巧派にモデルチェンジをした佐々岡は、打たせて取るピッチングでフライ、ゴロの山を築く。それでも「これまで何度も惜しい場面で記録を逃してきた。どうせ今回も最後には打たれるよ」と半信半疑で投げ続ける。最後は9回表一死からエラーで2人目の走者を許したが(1人目は4回の死球)、遊ゴロ併殺で快挙達成となった。
佐々岡が「リードどおり投げただけ」とコメントした捕手の西山は前年に左手を骨折し、長期離脱。復帰後も本調子ではなかったが、佐々岡とのバッテリーでは抜群のリードの冴えを見せ、同年成績的にはいまひとつだったが、佐々岡が15勝8敗と好成績を挙げたことで、契約更改では「ふつうなら現状維持だが、佐々岡の分、小遣いをやろう」と言われ、年俸がアップしたという。
写真=BBM