
客席は満員で大盛り上がりに(打席は秋山幸二)
プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は5月14日だ。
2002年5月14日は、ダイエー(現
ソフトバンク)―
オリックス戦が日本球界初の海外での公式戦として台湾・台北の天母棒球場で行われた日だ。過去には1940年に日本の植民地となっていた「満州国」で全9球団が「第1回満州大リーグ」を開催、61、62年には返還前の沖縄で公式戦が行われたが、実質的には、これが史上初の海外公式戦となる。
当時のダイエーは台湾にルーツを持つ
王貞治監督が指揮を執り、試合前の始球式、国歌斉唱は台湾でも人気があったアイドル、松浦亜弥さんが行った。
大観衆で埋まった記念すべき初戦は1対3から追いついたダイエーが4対4で迎えた9回裏、
松中信彦のサヨナラ本塁打で勝利。選手会長の
小久保裕紀は「年間を通してもなかなかできないゲーム。見ている方もそうですが、プレーしているわれわれも面白かった」と興奮気味に語った。
翌15日の同カードの試合は7対8で敗れたが、王監督は「十分満足できる遠征だった。今後も継続することに意義があると思う」と満足気な表情で総括。実際には、その後、05年に韓国で
ロッテ─ソフトバンク戦、14年には
巨人─
阪神戦をアメリカで開催するプランがあったが、いずれも実現していない。
台湾は巨人・
陽岱鋼の存在もあって日本野球のファンも多い。機会を見て、ぜひ再現してほしいものだ。
写真=BBM