
1本目、2本目は坂本同様、右方向だった(2本目5回裏の8号)
プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は5月15日だ。
日本ハムの
レアードが5月12、13日と2日にまたがっての4打数連続本塁打、
巨人の
坂本勇人が10日に2打席連続本塁打。両者の共通点は舞台が東京ドームであることだ。
2003年5月15日にも東京ドームで素晴らしいホームラン記録が誕生した。ドラマの主役は坂本の前の巨人正遊撃手・
二岡智宏である。
この日の横浜(現
DeNA)戦で巨人は新人・
久保裕也(現・
楽天)を先発のマウンドに送った。久保は多彩な変化球と抜群の制球力を武器に力投。それに応えたのが二岡だった。
まず4回裏、横浜先発・
三浦大輔から右中間上段に7号ソロ。「ミスター右中間」とも言われ、右方向への長打の多い二岡の面目躍如の一発だった。さらに5回裏には同じく三浦から右越え2ラン。10日の試合の坂本同様、右方向への連続弾だった。これにはクールな二岡も「1本目が力なら、2本目はわれながらうまく打てた技の一打ですね」と自画自賛だった。
さらに7回裏にもバックスクリーン左へ。「3打席連続なんて生まれて初めてです。どうしちゃったんでしょうね」と今度は不思議そうにクビをひねった二岡。試合は9対2で巨人の勝利となり、久保は初先発初勝利を飾った。二岡はこの年、当時の巨人遊撃手史上最多の29本塁打をマーク。これを抜いたのが、10年、坂本の31本塁打だった。
写真=内田孝治