
中4日でも回れるエースのメッセンジャーが勝率5割以上のカギを握っている
昨年も7勝11敗と大きく負け越し、2010年代に入り勝ち越したのは15年のみと交流戦を苦手にしている。しかし、今年は勝率5割以上が望めそうだ。まず、日程的にきつくないスケジュールになったことが大きい。交流戦最初のカードの
ロッテ3連戦(千葉)と6月9日からの
ソフトバンク3連戦(福岡)以外は地元大阪で腰を据えて戦えるのだ。2日からの
日本ハム3連戦は甲子園。翌5日の月曜は移動がなく、続く
オリックスとの3連戦は京セラドームで臨める。地元で調整できるアドバンテージは大きい。
5月に入り打線が上向きになってきたが、それはベテランの
糸井嘉男、
福留孝介、
鳥谷敬の打撃が好調だったから。ただ、鳥谷が顔面に死球を受け、交流戦前半は先発出場が厳しそうなだけに、打線に多少の不安が残る。だが、今回の有利な日程が残り2人のベテランにとって体調面でプラスに働くだろう。
昨年、
金本知憲監督が我慢して使った若手は力強いスイングを身につけた。一番の髙山俊がフルスイングを続け、
中谷将大や
原口文仁が競うように勝負強い打撃を見せ始めた。
北條史也や
梅野隆太郎は下位打線で意外性のある打撃を披露して打点を稼いでいる。あとは試合状況を見極めた打撃がいかにできるかだ。
先発陣が毎試合、試合を作れているのも大きい。開幕5連勝を飾り6勝1敗のエース・メッセンジャーは昨年の交流戦防御率は0.89。現在、昨年以上に好調で登板するすべての試合で勝ちが計算できそう。不安は二軍落ちした
藤浪晋太郎と
岩貞祐太の穴を誰が埋めるかだろう。
中継ぎ、抑え陣は勝ちパターンが決まった。特にセットアッパーの
マテオとクローザーのドリスの安定感は抜群。その前を投げる
桑原謙太朗にやや疲れが見え始めているが、それでも頼りになる。さらにマテオ、ドリスの控えとして
メンデスが二軍で好調。もし、どちらかがケガなどで二軍落ちとなっても、代わりの存在がいるという強みが今の
阪神の投手陣にある。
ただ、不安点もある。守備だ。ここまで約1試合1個のペースでエラーを重ねている。交流戦でも守備でミスが続き、パの6球団にそのスキを狙わるのが怖い。まだまだ守備面で修正は必要だが、投打の軸が好調のため、今年こそは5割以上を目指せそうだ。
写真=BBM