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セの2強を支える26歳同級生の先発・秋山拓巳と大瀬良大地

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西条高時代の秋山拓巳は1回戦八千代東高相手に9回完投3対2で勝利も、2回戦で今宮(現ソフトバンク)がいた明豊高に0対4で敗戦となった


 2009年8月12日、大阪の宿舎でチームメートとともに、花巻東高の豪腕・菊池雄星(現西武)の投球を楽しみにテレビを見ていた当時西条高の秋山拓巳(現阪神)。その画面から、菊池と同じくらい、クギ付けになる投手が出てきた。それが対戦相手の長崎日大高右腕エース・大瀬良大地(現広島)だった。

 センバツV右腕、清峰高の今村猛を破り、長崎代表として夏の甲子園に出場した大瀬良。「いい球を放るなあ!」というのが秋山の第一印象だったという。「伊予のゴジラ」と言われた秋山は、2回戦で敗戦(0対4で明豊高に惜敗)も甲子園でMAX150㌔を投げ、高卒で阪神に入団。一方、大瀬良はこの試合、菊池と投げ合い5対8で惜敗(1回戦負け)。その後、九州共立大へと進んだ。

 それから8年の年月が過ぎた。「大瀬良とは直接的な面識はないですが、彼は(2014年)大卒ドラ1で入って、即戦力というプレッシャーの中でも、しっかり成績を残してきていますよね」と前置きした後、「今年はお互いに先発としてやっていて、すごく成績が似ているんですよ。防御率も近いので、同級生としてもそうですが、すごく意識してはいます」。現在セ・リーグ首位の広島の先発ローテ投手に対し、2位・阪神の先発ローテとしてライバル心を見せている。

 交流戦日程終了の6月19日時点で、秋山は11試合登板で6勝3敗、防御率2.91。一方、大瀬良は11試合登板の4勝0敗、防御率3.13。投球イニングも秋山74回、大瀬良が69回。自責点は2人とも24点と同じような成績でここまできている。違うのは三振の数で秋山が69個に対し大瀬良49個で、やや秋山が勝っているというところか。

 同級生2人が優勝争いに向けて、意識しあい競い合うとセのペナントレースも増々盛り上がるというもの。ちなみに、この世代は阪神、広島とも主力として活躍している選手も多い。阪神では先発ローテの岩貞祐太、中継ぎの岩崎優、そして捕手の梅野隆太郎。一方、広島は2009年の夏の甲子園優勝投手の堂林翔太、現在の抑え・今村猛、中継ぎの九里亜蓮がいる。

彼らの活躍にも注目しつつ、秋山と大瀬良の成績を比較しながら、1日でも早い同級生同士の投げ合いを見てみたいものだ。

文=椎屋博幸 写真=BBM

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