
九里の活躍に負けじと好投を見せる大瀬良
首位を走る好調・
広島。チームを支える投手陣の中で、ともに不調に終わった近年からの巻き返しに燃えているのが、
大瀬良大地と
九里亜蓮の同級生コンビだ。7月7日時点で両者とも5勝をマーク。現在、九里は中継ぎへ回っているものの、序盤は先発ローテーションで頼もしい活躍を見せてくれた。
だが、シーズン開幕前、両者の明暗は分かれていた。九里が練習試合やオープン戦で好投を重ねて評価を上げる一方、大瀬良はキャンプ途中で右ワキ腹違和感のために離脱。開幕ローテが危ぶまれる状況だった。
満足に練習できない日々と、刻々と迫る開幕。下を向きそうになる時を支えてくれたのは、同期の言葉だった。大瀬良はこう振り返る。
「僕はキャンプで離脱してしまったのですが、その中で亜
蓮が結果を残し、先発ローテに入ることが決まったとき、『大地と1年間ローテーションを守り抜きたい』と言ってくれたんです」
大瀬良は3月12日の教育リーグ・
阪神戦で初の実戦登板を果たすと、3試合の登板で開幕先発ローテに滑り込み。その後も刺激となったのは、やはり九里の存在だった。
「シーズンに入っても亜蓮はいいピッチングをしていましたし、『負けていられない』という気持ちでしたね。ローテーション的に亜蓮のほうが登板が早かったので、『絶対に俺もいいピッチングをしてやろう』という気持ちでマウンドに上がっていました」
ライバルであり、親友。喜びも苦しみも分かち合える仲間がいるからこそ、今季の大瀬良は強い。
文=吉見淳司 写真=太田裕史