
鎌ケ谷スタジアムの謎のゆるキャラDJチャス。
7月13日に静岡で開催されたフレッシュオールスターゲーム。選手だけでなく、12球団のマスコットたちも集結し、1日限りの祭典を大いに盛り上げた。その中で愛くるしさとはかけ離れた異質の人物を球場または、テレビで見かけた人もいたのではないだろうか。
ど派手な紫のスーツにハチマキ姿で、ファイターズの二軍マスコットであるカビーの後ろでファンサービス(ファンいじり?)に奔走していた異彩を放つ謎の男。その名は「DJチャス。」。鎌ケ谷スタジアムで会うことができる、ファイターズファンにはすでにお馴染みの球界初の生身の人間によるゆるキャラ(!?)だ。
そんなDJチャス。が初めてフレッシュオールスターにも呼ばれ「全国デビュー」を果たした。ただほかのマスコットみたいに控室や楽屋が用意されていなく、着替えは球場の駐車場で行う「洗礼」も浴びたが、そこはご愛嬌。「主役はマスコットだから。今日は俺は脇役だから」と言いながらも、スタンドのコアなファンからは「チャス。~!!」の声援も多数聞かれた。
その正体は、ただ陽気な変なおじさんではなく……球団職員の中原信広さんだ。鎌ケ谷事業グループのチーフディレクターであり、鎌ケ谷スタジアム専任のマスコットであるカビーを誕生させたのも中原さんだ。とにかく鎌ケ谷を盛り上げようと、スタンドでジンギスカンが食べられるようにしたり、農園や畑を作ったり、婚活イベント、プロレス(中原さんもレスラーとして参加)とのコラボなど、さまざまな独創的なアイデアと行動力を実現してきた。
元々は一軍のチーム付き広報を長くされていて、私も選手の取材などではいつもお世話になっていた。その素顔は本当に野球が好きで、チームが好きで、マジメな方。そんな中原さんがまさかこんな姿で表舞台に出てくるとは……と最初はびっくりしたが、それもすべて鎌ケ谷にもっと多くの方に来てもらいたいという思いから。実際にイースタン・リーグの試合がある日は、試合前は通常の業務をこなし、試合前になったらチャス。に“変身”してちょっとヒールなキャラクターとして、カビーとともにファンを楽しませる。
チーフディレクターとゆるキャラの二刀流で奮闘する中原さん。次はどんな奇抜な仕掛けで私たちを楽しませてくれるのか。DJチャス。のさらなる挑戦(大暴走!?)に期待したい。
文=松井進作 写真=BBM