
勝利の後、ナインから祝福される秋山(中央)。右は捕手の城島健司
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は9月12日だ。
長い低迷を経て、今季先発ローテに定着。現在、12勝5敗とチームの勝ち頭になっているのが、プロ8年目の26歳、
阪神の
秋山拓巳である。
2010年9月12日は、ルーキーだった秋山にとっての記念日でもある。
愛媛・西条高時代はバッティングもよく、通算48本塁打で「伊予ゴジラ」の異名も取った。阪神へはドラフト4位で入団。8月になって一軍初昇格をした秋山は、21日の
巨人戦(東京ドーム)で初登板初先発のチャンスをもらうも黒星。ベンチで大粒の涙を流した。
ただ、その後、28日の
ヤクルト戦(神宮)でプロ初勝利、9月5日の
広島戦(マツダ広島)で2勝目と、いずれもビジターで勝利し、この日は初めての甲子園のマウンドだった。
相手はヤクルト。秋山は打たせて取るピッチングで9回を被安打4、奪三振3の無四球完封。阪神の高卒新人の1年目の勝利、完封とも1986年
遠山昭治以来24年ぶり4人目の快挙だった。同年秋山は4勝を挙げ、翌年以降の飛躍を期待されたが、故障もあって長い低迷期を過ごすことになってしまった。
なお、このときの秋山の背番号は「27」。今年は心機一転、背番号を「46」に変えて挑んだシーズンでもあった。
写真=前島進