
サヨナラ打の赤星を力いっぱい抱きしめる星野監督。体格が違うこともあり、親子のようにも見える
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は9月15日だ。
2003年、
星野仙一監督2年目の
阪神は、
広島でFA宣言した
金本知憲、
日本ハムからトレードで
下柳剛、
野口寿浩、米球界レンジャーズから
伊良部秀輝と大胆補強でチーム改革をさらに進めた。
序盤から快調に飛ばし、7月8日には早くもマジック49が点灯。以後も危なげなく勝ち続ける。
そして、あの1985年以来、18年ぶりリーグ優勝の歓喜が9月15日に訪れた。
マジック2として迎えた甲子園での広島戦は14時からのデーゲーム。前夜から多くのファンが並んだため、朝8時にはすべて開門。8300人が一気に入場した。テレビ局のレポーターに「いつから並んでいたんですか」と聞かれ、「18年前からです」と答えた映像に、多くの阪神ファンがうなずいたはずだ。
試合は8回表を終わって2対1と広島がリードも、その裏の先頭打者・
片岡篤史が同点弾。甲子園のボルテージが一気に高まった。
さらに9回裏、一死満塁から
赤星憲広がサヨナラ打。ナインにもみくちゃにされ、気づけば星野監督にきつく抱きしめられていた。お立ち台に上がった赤星は「こんな日に打てて最高!」と声を張り上げた。
マジック1とした阪神の優勝が決まったのは、それから2時間8分後だった。大型スクリーンで放映された横浜─
ヤクルト戦でヤクルトの敗戦が決まると、ベンチで待機していた阪神ナインが一斉に飛び出した。
地響きのような大歓声の中、全身で喜びを爆発させるナインの後ろから背番号77がゆっくり歩を進め、黄色いジェット風船が鮮やかに舞い上がる中、胴上げで7度宙を舞った。
写真=BBM