
より自分に合ったバットを手に入れながら、黙々とリハビリに励む原口。クライマックス・シリーズであの勝負強いバッティングが見たい
9月18日の甲子園。目の前で
広島に優勝を決められた
阪神だが、クライマックス・シリーズを勝ち抜き日本シリーズへ進出するには、中谷、大山のほかにもう一枚、右の大砲が必要だろう。現在、左ワキ腹痛でリハビリ中の
原口文仁だ。彼が加われば、首脳陣もさまざまな起用法ができ、広島にとっても脅威になるはず。
少し前にさかのぼるが、7月6日の
DeNA戦(横浜)で中谷、原口がアベックホームランを放った。この2本とも特大弾で、見るものを圧倒し未来へ向け大きな変革が起こっている予感さえした。
しかし、現在リハビリ中の原口。先日、二軍の室内練習場で練習中にひょっこり顔を出し「先日の取材はありがとうごいました。ミズノの方もすごく喜んでいましたよ」と声をかけてくれた。それは以前に彼のバットを取材したときの御礼だった。そして、「これ見てください。実はバットを変えました」と笑顔。取材したときのバットは先端がくり抜かれたものだったが、現在のモノはくり抜かれていない。
「あのあと、自分の中でグリップを握る感覚が合わなくなっていきました。そういうときに、室内練習場にあったある球団の投手用バットが置いてあったので、握ってみたんです。そうしたらめちゃくちゃフィットしたんですよ」。その後、すぐにこのモデルのバットをメーカーに依頼し作ってもらったという。
現在はこの信頼性の上がったバットとともに一軍復帰を目指している。彼が代打で控えていたら相手投手陣は恐いだろう。クライマックスの1stステージは10月14日から。約1カ月後の原口の打撃を楽しみに待ちたい。
文=椎屋博幸 写真=桜井ひとし