2012年ドラフト2位の小川(写真右)はエース級の活躍見せるも、今季終盤に故障リタイア
選ぶ球団、待つ選手、見守るファンにとって心が躍る瞬間が近づいてきた。今年のドラフト会議は10月26日に開催される。ドラフトはチームの戦力に大きな影響を及ぼすもの。それでは、今季球団ワーストの96敗を喫した
ヤクルトのドラフト戦略はどうだったのか。過去5年の結果を振り返ってみたい。
2012年以降の1巡目指名は
藤浪晋太郎、
大瀬良大地、
安樂智大、
高山俊、
寺島成輝の5人。そして実際に獲得したのは
石山泰稚、
杉浦稔大、
竹下真吾、
原樹理、寺島の5人。杉浦はトレードで
日本ハムに放出され、竹下はこのオフに戦力外通告を受けた。現在、一軍の戦力となっているのは石山と原樹くらいと、苦しい結果となっている。勝負事に「たられば」は禁物だが、これだけ負け続ければ「◯◯がいれば……」と思うのも仕方がない。ドラフト1位に限定すれば、ドラフト戦略が成功しているとは言い難い。
そして今ドラフト。ヤクルトは早くも超目玉である
清宮幸太郎(早実)の1位指名を明言している。圧倒的にクジ運の悪いヤクルトが、史上最多の競合数を更新するとも言われる清宮を獲得することができるのか。あるいは、会議直前に単独狙いに切り替えるのか。いずれにしても、今ドラフトが浮上のきっかけにもなり、逆に暗黒時代の突入も考えられる。
来季からは
小川淳司監督が現場復帰して指揮を執ることになる。2位以下の人選でも球団が描く未来図が見えてくるはずだ。数年後を見据えた球団の「英断」に注目したい。
文=富田 庸 写真=BBM