
先頭打者の役割を果たした広島・田中
■10月18日 CSファイナルステージ第1戦(マツダ広島)広島3-0DeNA※5回降雨コールド 短期決戦を勝ち抜く上で大事となる初戦は広島が5回降雨コールドのために3対0で勝利。アドバンテージを含む2勝0敗とし、日本シリーズ進出に前進した。
DeNAは負ければ瀬戸際に立たされてしまう第2戦。先発は
浜口遥大が予想される。入団1年目ながら2ケタ勝利となる10勝を挙げた左腕はCS初登板。強心臓ルーキーにチームの命運が託される。
第1戦、10月1日に12球団最速でペナントレースを終えていた広島は、17日ぶりの公式戦だった。ペナントレースではチーム打率など多くの打撃部門でリーグトップに立った赤ヘル打線だが、この日はDeNAの先発・
石田健大に4回まで無安打に抑えられた。5回の集中攻撃で3点を奪ったものの、まだ完全に目覚めたとは言えない。広島の強力打線を封じ込めるためには、第1打席、第2打席ともに相手投手に9球を投じさせ、さらに第3打席には決勝の2点適時打を放ち、シーズン中と同じくトップバッターの役割に徹した
田中広輔を徹底マークし、攻撃のリズムを分断したい。
対する広島は、経験豊富な
野村祐輔が先発濃厚。昨季のCSファイナルS第2戦でもDeNAを相手に先発し、6回3安打無失点と付け入るスキを与えずに勝利投手に。三番・ロペス、四番・
筒香嘉智、五番・
梶谷隆幸に計1安打と仕事をさせなかったことが大きかった。
今季、五番には首位打者の
宮崎敏郎が座るが、第1戦では広島先発・
薮田和樹がDeNAのクリーンアップを沈黙させ、無失点といい流れを作った。野村も同様に主力打者を完封し、勝利することができれば、今後の戦いもさらに優位に進められるだろう。
両チームともに強力打線を擁するだけに、先発投手がいかにゲームを作れるかが焦点となってくる。特にDeNAにとっては、クリーンアップが難敵・野村を打ち崩すことが、CS突破のキーポイントとなりそうだ。
文=吉見淳司 写真=小山真司