
8回一死までノーヒットノーランの好投を見せた濱口
■11月1日 日本シリーズ第4戦(横浜スタジアム)
DeNA6-0
ソフトバンク 3連敗と崖っぷちに立たされたDeNAが踏みとどまることができたのは、先発・
濱口遥大のピッチング以外に考えられない。8回一死まで無安打投球でソフトバンク打線を沈黙させた濱口。私は神奈川大時代からそのピッチングを見ているが、当時からハートの強さは折り紙つき。初めての日本シリーズ、しかも負けられない一戦という状況でも、物怖じするところは一切なかった。
初回、DeNAは一番の
桑原将志がヒットで出塁も、続く
柴田竜拓が犠打失敗、3回も二死から中前打を放った桑原がけん制死。打撃陣が拙攻を繰り返す中でも、濱口は自分のピッチングを続けた。打撃でも5回裏、
宮崎敏郎が先制ソロを放ち、さらに無死一、二塁とチャンスが続く中で打席に入り、きっちりと犠打を決めて、
倉本寿彦の犠飛を導いた。本当に舞い上がることなく、落ち着いてプレーしていたように思う。
ソフトバンク打線は第2戦でも
今永昇太に6回2失点と抑え込まれたが、けっして左腕が苦手というわけではないと思う。球界屈指の先発左腕、
西武の
菊池雄星に対して4試合で防御率7.97と打ち込んでいることもある。では、なぜ今永、濱口は好投したのか。それは菊池になくて、濱口、今永に持っているものがあるからだ。それはチェンジアップ、フォークだと思う。右打者に対しても、菊池に比べ、精度よくこれらのボールを使えていることが、好投している要因の一つだろう。
第5戦の先発が予想される
石田健大もチェンジアップ、フォークを武器として使える。この球種を巧みに操ってソフトバンク打線を封じることができれば、DeNAに勝機が生まれてくるだろう。
写真=小山真司