
11回裏、ミスにより走者を残し、DeNAは結局それがサヨナラ負けにつながってしまった
■11月4日 日本シリーズ第6戦(ヤフオクドーム)
ソフトバンク4x-3DeNA
やはり大舞台になればなるほど、小さなミスが命取りとなる。3対3の同点で迎えた11回裏、ソフトバンクの攻撃。2イニング目に入ったエスコバーは先頭の
デスパイネを右飛に打ち取るが、続く
内川聖一にストレートの四球を与えると、
中村晃にも制球が定まらない。2球続けてストレートが高めに抜け、3球目も直球が外角低めを外れる。3ボールとなり、4球目も内角低めのボール。連続でストレートの四球となり、一死一、二塁とピンチを迎えてしまった。
投手は
三上朋也に代わり、打席には
松田宣浩。カウント1ボール2ストライクからの5球目、狙いどおりに外角低めのスライダーを引っ掛けさせてサードゴロとなった。打球を処理した
宮崎敏郎は三塁ベースを踏んで二走を殺し、一塁へ送球。しかし、これがそれてしまった。一塁手のロペスは送球をつかんだが、打者走者はセーフ。ストライク送球をしていれば、併殺でチェンジだっただけに痛過ぎる送球ミスとなってしまった。
二死一、二塁とDeNAにとって一打サヨナラのピンチは続き、ここで
川島慶三が右前打。DeNA外野陣は二走をホームへかえさない超前進守備を敷いていたが、ここで三塁コーチャーの
村松有人は腕をグルグル回し、二走を本塁に突入させた。きっと、アウトになっても12回の攻撃もある、と気持ちに余裕があったのだろう。打球をつかんだ
梶谷隆幸の送球も及ばず、走者が生還。サヨナラ負けで、DeNAは日本一を逃してしまった。
9回裏、1点ビハインドの場面で内川聖一が起死回生の同点弾を放ち、さらに守護神・
サファテが3イニングをゼロに抑える力投。流れと勢いは確実にソフトバンクにあっただけに、DeNAにとって小さなミスが命取りとなってしまった。「当たり前のことを当たり前に――」。やはり基本中の基本ができなければ、最後の最後、勝利の女神が微笑むことはない。
写真=早浪章弘