11月15日、マツダ広島で12球団合同トライアウトが開催される。野球人生を懸けた勝負を繰り広げる戦力外選手たち。参加予定者の球歴を紹介する。 
ポテンシャルを発揮できず支配登録を勝ち取ることができなかった菅原
■プロフィル
名前:
菅原祥太(すがわら・しょうた)
ポジション:外野手
生年月日:1993年9月19日(24歳)
身長・体重:183センチ95キロ
投打:左投左打
経歴:駿台学園高-日本ウェルネススポーツ大-
ロッテ17(育成2位)
2017成績:42試合 15安打 0本塁打 6打点 3盗塁 打率.179(イースタン)
今季、育成2位でロッテに入団した菅原祥太に“時間”というチャンスが与えられることはなかった。3ケタ番号のまま、1年で戦力外を告げられた。
チームの新人の中では最後の指名だったが、1月の新人合同自主トレでは誰よりも周囲の注目を集めていた。速い、強い、でかい。ポール間ダッシュではほかの選手から一歩遅れてスタートしながら、悠々と同僚たちを抜き去っていく。
95キロの巨体ながら50メートルを5秒74で駆け抜け、体力テストでも軒並みトップの数字をたたき出した。その身体能力が首脳陣の目に留まり、春の石垣島キャンプで球団初となる育成新人の一軍スタートを勝ち取った。
しかし、すぐにカベにぶつかった。実戦になるとバットがボールに当たらない。「ボールに慣れていけば、スイングスピードは通用する」とわずかな手応えを得ながらも、プロの体感スピードについていくことができず、自慢のパワーを見せつけることができないまま時間だけが過ぎていった。
それでも
大村巌二軍打撃コーチは、「バットを強く振れる。それは魅力的な要素」とポテンシャルは認めていた。ただ、「どれくらい時間がかかるのか」という問いには、「その時間を早めたいですけどね、育成選手ですから」とも口にしていた。
結局、球団はその“時間”を待つことができなかった。菅原は戦力外を告げられるとすぐに「やり残したことがいっぱいある」とトライアウトへの挑戦を決めた。荒削りな原石は、己を磨く場所を手に入れることができるだろうか。
写真=BBM