
タレント・上田まりえさんの野球への思い入れは相当である。観戦した際のチケットも大切に保管している
野球への思い入れには、ただただ、驚くばかりだった。タレント・上田まりえさんのインタビュー(週刊ベースボール11月27日号、不定期連載「野球女子」にて掲載)は約1時間に及んだが「ファン視線」から、学ぶべきものが多かった。
日本テレビのアナウンサー時代は、野球の仕事はなかったという。同社退社後は取材などで野球にかかわりを持つことが増えたが、あくまで「現場主義」を貫いている。
「少しでもたくさんの野球を見て、自分の野球観を築き上げていきたい」
多忙な合間を縫っては、プロ野球だけでなく、独立リーグ、アマチュアの試合会場にも足を運ぶ。仕事を受ける以上は、本気で白球に向き合う“プロ魂”が、上田さんには宿っている。
必ず、目的意識を持って観戦するこだわり派。座席を選ぶ段階から「まずは一、三塁の選択から始まります。次にこのゾーンの右端にするか、左端にするか?」と、場所取りから楽しむのだから相当である。
2017年、特にはまったのが独立リーグだという。
「地域密着。NPBよりも濃いものを感じる。地元に認知されており、それこそ小学生はランドセルを抱えたまま球場に来るんです。そして、選手の名前を呼んで応援。あこがれの存在になっている。ご年配のご夫婦に話を聞けば、独立リーグが来たことで、共通の話題が増え、(夫婦間の)危機を乗り越えたそうです」
野球の持つ力を再確認し、自らもその魅力を発信していこうと、勉強の日々だという。
上田さんにとって、2017年はプライベートにおいても充実の1年となった。2月1日にトヨタ自動車・竹内大助投手(慶大)と結婚。先の社会人野球日本選手権で、トヨタ自動車は3大会ぶりの優勝を遂げたが、上田さんは京セラドーム大阪で歓喜の瞬間に立ち会った。
竹内投手は慶大2年春、東京六大学リーグ(対東大)でノーヒットノーランを遂げ、通算22勝をマーク。当時、プロ志望届を提出したものの、無念の指名漏れで2013年にトヨタ自動車へ入社した。今季で5年目の左腕は、今大会も貴重な中継ぎの役目を果たし、Vメンバーとして大きく貢献した。上田さんも同じく左投げで、運動センス抜群。年明けの“始動”は、2人でキャッチボールをするのが毎年の流れだという。
オリジナルの視点を持つ上田さんは、バイタリティーにあふれている。野球を題材とした新企画を思案中とのことで、今後も「ファン視点」から精力的に活動を進めていく。
文=岡本朋祐 写真=山口高明