2018年に創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3400号を超えている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 巻頭グラビアは『巨人宮崎で初キャンプ』
今回は『1959年2月25日号』。創刊46号で定価30円だ。表紙は西鉄・豊田泰光。センターカラーは『四連覇への誓い』と題し、西鉄の
三原脩監督、
稲尾和久の背広姿だ。巻頭グラビアは『
巨人宮崎で初キャンプ』。この年から今に続く宮崎キャンプがスタートした。
本文巻頭は『特集 絶体絶命の五人~水原・宮本・大下・木村・別当』。身内の恥ではあるが、表紙文字の「絶対絶命」は誤植である。前年不振の巨人・
宮本敏雄、西鉄・
大下弘、南海・
木村保、59年の成績次第では進退が問われる巨人・
水原円裕監督、大毎・
別当薫監督の人物モノだ。
連載『ぼくの抱負』では前年の58年に入団2年目(1年目は秋入団)から13年連続だった2ケタ勝利が途切れ、9勝に終わった36歳のベテラン、巨人・
別所毅彦が登場。通算300勝を照準に入れ、契約更改では「35試合以上登板」を条件として出し、水原監督を激怒させた。
さすがベーやん。かなりの自信を持っていたようだ。
ぼくの体はまだ二十代だと思っている、年のことは考えないことにしている。いまの調子なら15~20勝は堅いと言える。それほどいまの具合はいいんだ。キャンプにも身が入るし、シーズン・インが待ち遠しいというのがいまの気持ちだ。
誤解だったが、どきっとする連載もあった。この年から選手コラムの元祖として巨人・
長嶋茂雄の『ぼくの日記帖』がスタート。そこには実筆で「週刊ベースボール愛読者のみなさんへ」とあるのだが、スペースの都合か、この週は「週刊ベースボール愛」と「読者のみなさんへ」が改行され、「
原辰徳のジャイアンツ愛のルーツを見つけた!」と一瞬、喜んでしまった。
ここでは小社がアメリカから長嶋用のウィルソン製のグラブを取り寄せた逸話もあった。昔のべ社恐るべしである。
座談会は、「今年こそは待ったなし~くたばれ!西鉄・巨人」南海の
野村克也、
杉浦忠、
阪神の
小山正明、
西尾慈高、
山本哲也が出席。
最後のやり取りだけ抜粋する。ちなみに杉浦は新婚ほやほやだ。
杉浦 一生懸命やることしかないですよ。ほかに考える余裕なんかありゃしない。
西尾 奥さんのためにもね(笑)。
杉浦 そしてやはり優勝ですね。もし優勝できて、その暁に振り返ってみて、ああ、30勝したか……(笑)。
記者 野村さんは。
野村 右に同じ。
山本 30勝するの(笑)。
野村 違うよ。30本ホームランを打つんだよ(笑)。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM