
豪快なフルスイングでアーチを連発する横尾。2018年はレギュラーでさらなる飛躍を誓う
ストーブリーグはまだ終わってないが、新戦力を加えながら2018年シーズンの贔屓チームのスタメンなどをお酒でも飲みながらあれこれ考えるのは、野球ファンの方たちには楽しい時間ではないだろうか。
その中で
日本ハムは投打の柱であった
大谷翔平が抜け、また正捕手の
大野奨太、抑えの
増井浩俊がFAで移籍して、
栗山英樹監督がどんな選手を起用して、どんなチームをまた作るのか──。密かに例年以上に開幕スタメンなどを予想するのが楽しみでもある。
もちろんゴールデンルーキーの
清宮幸太郎も大きな注目であるが、もう1人楽しみな選手がいる。18年でプロ3年目を迎える
横尾俊建だ。17年はシーズン終盤に特大のアーチを連発し、プチブレーク。そのずんぐりむっくりの体型から「おにぎり君」の愛称でも親しまれている。
一塁のほかにも、三塁、二塁、外野をこなすことができ、指揮官にとっても起用法が広がり、何よりもあのパンチ力ある打撃をきっと打線のラインナップに加えたいと思っているはずだ。そんな横尾のすごさをチームメートの
石井一成が週刊ベースボールの誌面でも過去に明かしてくれている。
私たちも入ることができないある日のトレーニングルームで、石井自身はスクワットで上げられても100キロくらいだが、横尾は簡単に200キロを上げ、ベンチプレスでも100キロのメニューを軽々とこなしている。また「横尾さんはポッチャリのイメージがあるかもしれませんが、脱いだら本当にすごいんですよ!」と、ユニフォームの下に隠れている筋肉質でバランスのとれた肉体にも大きな驚きを受けたという。この話を横尾本人に言っても、きっと報道陣には恥ずかしがって見せてはくれないだろうが、あのパワフルな全力スイングを生み出せる理由の一端がまた分かった気もした。
2018年シーズン、覚醒前夜の北の和製大砲が開幕からホームランレースの「大穴」として飛び出してきても何ら不思議ではない。それぐらいの才能と期待感がこの男にはある。
文=松井進作 写真=BBM