
12年末に引退した大打者・松井秀喜の努力の跡に「頑張らなきゃ」(右端が菅野)
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は1月10日だ。
2013年、考えてみると、まだ5年前なのだが、日本球界最強のエースがプロとしてスタートを初々しく切った。
巨人・
菅野智之である。東海大時代のドラフト指名を拒否し、浪人生活を経て悲願の巨人入りを果たした男だ。
1月10日は、ジャイアンツ球場で始まった新人合同自主トレ初日。集まった多くの報道陣とファンの視線の先に、菅野の姿があった。「普段どおり」を強調した菅野だが、キャッチボールでは相手を務めた田原が「ドシンと来た」と目を丸くするほどの剛球で仕事始め。視察に訪れた
川口和久投手総合コーチもホッと胸をなでおろしたようで、「当然一軍メンバーとしてやってもらうよ」と一軍キャンプスタートに早々の内定を出した。
8日にバイブルでもあるヤンキース・
黒田博樹の『決めて断つ』を携えて入寮。直後には松井秀喜が使って畳がボロボロになった素振り部屋を見学し、「あれだけの大打者が努力した。自分ももっと頑張らなきゃいけない」と語り、野球漬けの生活を誓った。
写真=BBM